アルコール代謝のしくみと二日酔い
アルコールの吸収と代謝
アルコールはどのように体内をめぐるのか
体内に入ったアルコールは、通常では胃から20%程度、残りは小腸上部から吸収されます。胃や小腸から吸収されたアルコールは門脈を通じて肝臓に入り、その後全身の臓器へと流れていきます。
アルコールの大部分は肝臓で代謝されてアセトアルデヒドになります。摂取したアルコールは、そのまま呼気や尿中へ排泄されるのは摂取量の5%までで、90%以上は肝臓で代謝されます。
アセトアルデヒドはさらに肝臓内で酢酸へと酸化されます。酢酸は血流によって全身の組織を巡り、最終的には水と二酸化炭素に分解され、体外へと排出されます。
アルコール代謝の経路
アルコールは肝臓でアセトアルデヒドに酸化され、その代謝経路には、
- アルコール脱水素酵素(ADH)、
- ミクロソームエタノール酸化系(MEOS)、
- カタラーゼ
による3つの経路があります。肝臓におけるアルコール代謝の約80%をADHが、残りの20%をMEOSが担っており、カタラーゼの寄与度はごくわずかです。
アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドはアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸に酸化されます。
二次代謝物であるアセトアルデヒドは分子量44と低分子で、非常に揮発性と毒性が高いことが知られています。アセトアルデヒドはALDHによって速やかに代謝されるため、体内で検出される濃度はエタノール(アルコール)の1000分の1程度となります。
二日酔いとは
アルコールを摂取すると、体内でアルコールはアセトアルデヒドに分解されますが、このアセトアルデヒドの毒性によって引き起こされる症状が二日酔いと言われています。
また、これ以外にも、アルコールそのものによる影響や酒に含まれる成分など、複数の要因が二日酔いには関係していることが知られています。
このように二日酔いになる原因は様々ありますが、肝臓機能を強化する、アルコールやアセトアルデヒドの分解を促進するなどの方法で、二日酔いの原因となるアルコール、及びそれに由来する代謝産物を体内からすばやく排出することができ、二日酔いを解消することが可能になると考えられます。