ストレス軽減だけじゃない!ギャバの様々な健康効果



“ストレス社会で闘うあなたに。”のキャッチコピーで、江崎グリコ株式会社から『メンタルバランスチョコレート ギャバ』(http://www.ezaki-glico.net/gaba/index.html)が発売されてから、もうすぐ10年。ギャバはストレスやイライラを鎮める成分として、すっかり有名になりました。スーパーやコンビニでも定番のお菓子になっていることからも、ギャバの認知の広さが伺えます。

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ギャバってなに?

ストレス軽減効果で有名になったこのギャバは、アミノ酸の一種です。アミノ酸ですが、タンパク質を作る原料とはならずに、脳や脊髄の中で神経伝達物質として働いています。ギャバは「抑制性」の神経伝達物質で、脳の興奮を静め、リラックスさせるような働きをしています。脳が興奮するとストレスを感じるため、脳の興奮を静めることはストレス軽減に繋がります。

とすると、脳内のギャバを増やせばリラックス効果が増すような気がしますが、脳内のギャバ量を増やすことは、不足した栄養分を補うように簡単にはできません。ギャバを含む食品を食べても、脳内のギャバ量は増えないからです。

食品からギャバを摂取すると、ギャバは腸で吸収された後に血液に乗って全身の血管をめぐります。ギャバは血液に乗って脳の周りにある血管も通りますが、血管の壁にあって脳側に通じる特別なドアのような機関(血液脳関門)を通れないため、食べ物で摂取しても脳のギャバ量は増えないのです。

 

ストレス軽減の理由

ただし、食品からギャバを取ることで、恐怖心がなくなったりリラックスできたり、ということは体感として実際にあることが示されています。脳内のギャバが増えていないとすれば、ギャバを摂取することによって得られるこれらの効果は、どのようにもたらされるのでしょうか?

上でも述べている通り、ギャバは抑制性の神経伝達物質です。これはまだ仮説の段階ですが、神経の先端(末梢神経)で抑制的な働きをしていて、「興奮が静められた」情報が、神経の中枢に伝えられている可能性があります。

つまり、血液中のギャバは腸管などにある抹消神経に作用し、腸管から脳の中枢に繋がる求心神経を刺激することで、リラックスなどの効果をもたらしていると考えられています。

 

血圧を下げる

ギャバには、ノルアドレナリンの分泌を抑制する作用があります。

ノルアドレナリンとは、ギャバとは反対の、興奮性の神経伝達物質。興奮性の神経伝達物質は、血管を収縮させるため、血管を通っている血液にかかる圧力(=血圧)も高めます。このような働きをするノルアドレナリンの分泌を抑えることで、血圧を下降させることができるというわけです。

また、ノルアドレナリンは体内にナトリウムをため込む働きも持っています。体内のナトリウム量が増えると、私たちの体は体液の濃度を一定にするために水分もため込みます。血液の量が増えれば、大量の血液を循環させるのに心臓はより強い圧力をかけるため、やはり血圧が高まります。

ノルアドレナリンが減ると、体内のナトリウムは排出され、同時に不要になった水分も排出されるため、血圧の下降に繋がります。

 

肝臓のはたらきを高める

ギャバには肝臓の機能を高める効果もあるとされています。

肝臓の異常は、ALP(アルカリフォスファターゼ)とGPT(トランスアミナーゼ)という酵素の活性の高さによって確認できます。

ギャバを投与すると、このALP、GPTの値が低下し、肝機能の向上が見られました。

また、アルコールとギャバを同時に摂取すると、血中アルコール濃度が低く抑えられたという実験結果もあり、お酒を飲む前などにギャバを摂取することで、二日酔い・悪酔い予防の効果も期待されています。


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