体内一の働き者、肝臓の機能



先日「小4の1割、おじさん化?・・・肝機能・脂質に異常」という記事が読売新聞に掲載されました。

記事によると、小学4年生を対象に香川県が行った採血検査において、肝機能の状態を測るALTなどの3つの指標のうち、1つ以上で異常値を示した対象者の割合が、男子は12.4%、女子が9.5%に上ったということです。

この結果は、食生活や運動不足の影響によるものとみられており、実際、2012年の調査では、検査値が異常となった子供たちには、「腹いっぱい食べる」「早食い」「1日のゲーム時間が長い」「特別な運動をしない」といった生活習慣が見られたそうです。

このような生活習慣は、大人でも心当たりがある方がいらっしゃるのではないでしょうか。そのような方は肝臓の状態に注意したほうがよさそうです。

 

肝機能を測る指標

肝機能の状態を示すALT(GPT)、AST(GOT)などは、健康診断でもおなじみの指標です。これらは、肝細胞に多く存在している酵素で、肝細胞が破壊される、血中に流れ出てしましいます。

つまり、血中のALT・AST濃度が高い=肝細胞が多く破壊されている=肝機能が低下している、ということを示しています。

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肝臓の働き

肝臓には様々な機能がありますが、代表的なものは、糖・脂質・タンパク質の代謝各種薬物の解毒胆汁の生成・分泌の3機能と言えます。

人間は体を動かすエネルギーとして食事をしますが、食べたそのままの形では利用できませんし、一度に全てを使ってしまうわけでもありません。食品から得た糖・脂質・タンパク質は、肝臓でエネルギー源として利用しやすい形に変換・貯蔵され、必要に応じて使われていきます。これが、糖・脂質・タンパク質の代謝です。

各種薬物の解毒機能で最も身近なのがアルコールの代謝でしょう。お酒を飲むと血液中にアルコールが溶け込んで酔いが起こりますが、このとき肝臓では、血中のアルコールの分解が行われています。そして、アルコールだけでなく、各種の薬物や老廃物などの有害物質も肝臓が分解・無毒化しています。

そして、胆汁の生成・分泌も肝臓の重要な役割です。胆汁は脂肪の代謝に重要な役割を果たす液体で、肝臓で生成された後、胆のうで貯蔵・濃縮され、食事時に使われます。胆汁には消化酵素そのものは含まれませんが、脂肪を乳化して脂肪の消化酵素リパーゼと反応させやすくする作用があり、脂肪の代謝を助けています。

他にも肝臓には、アンモニアの代謝、アルブミン(体内浸透圧の調節などに関わるタンパク質)の合成、ケトン体(飢餓などでグルコースが枯渇した際の代替エネルギー源となる)の合成、人体に必須のコレステロールの合成、体温の維持など、様々な機能を有しています。

 

肝機能が低下するということは、これらの機能が低下するということ。糖・脂質・タンパク質の代謝が落ちれば、体は食品の栄養を取り入れにくくなりますし、アルコールや薬などが解毒されずにいつまでも体の中にある状態は、様々な疾患を招くでしょう。脂肪が分解が速やかに行われなければ、食事も胃もたれするばかりで楽しいものではなくなりそうです。

脂肪肝、肝硬変、肝がんなどの深刻な病気を招くことを抜きにしても、肝機能が低下すると、生活の質が低下することが容易に想像できるのではないでしょうか。

 

三和酒類のアルコケア

三和酒類では、焼酎製造後の絞り粕である「発酵大麦エキス」に様々な健康機能の可能性を見出しており、各種の試験を行っています。

マウスを利用した実験では、発酵大麦エキスが血中ALT・ASTに作用した結果を得ており、この機能に特化して開発したのが「発酵大麦エキス・アルコケア」。

アルコケアの作用機序をさらに詳しく解明するため、三和酒類では現在も研究を重ねており、サプリメントやドリンク剤への応用など、今後の展開が期待されています。


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