たんぱく質をつくる…だけじゃない!「アミノ酸」のちから



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近年は、「アミノ酸配合」や「アミノ酸が何と5倍」といった様々な商品があります。「アミノ酸」と聞くだけで健康に良さそうな印象がありますし、実際にこれらは私たちの健康をサポートし、日々の生活を豊かにしてくれます。今回はアミノ酸の役割やその機能について紹介していきたいと思います。

 

アミノ酸は生命の源

アミノ酸は「アミノ基とカルボキシル基の両方の官能基を持つ有機化合物の総称」です。

地球上に存在する栄養素のうち、最も古いものがアミノ酸です。 そして私たちの体をつくるタンパク質を構成する生命の源となっている物質なのです。

自然界には500種類のアミノ酸が存在するといわれ、そのうち、私たちの生命を維持するのに必要なアミノ酸は20種類です。

amino_acid

アミノ酸の構造

私たちが食事をして、肉や魚などからたんぱく質を摂取すると、たんぱく質は20種類のアミノ酸に分解されます。 その後、体内で再び、たんぱく質が合成されるのです。体を構成しているたんぱく質は、日々、合成と分解を繰り返しています。

私たちの体をつくっているたんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のうち、9種類は体内で合成することができません。これらを必須アミノ酸と呼び、食物から摂取する必要があります。必須アミノ酸をバランスよく摂取するために、毎回の食事では、肉、魚、牛乳、卵など様々なたんぱく質を食べるよう心掛けることが大切です。

私たちの体をつくるアミノ酸(赤字は必須アミノ酸)

L-バリンL-リジンL-ロイシンL-スレオニンL-イソロイシン ・L-アスパラギン ・L-グルタミン ・L-フェニルアラニン ・L-アスパラギン酸 ・L-セリン ・L-グルタミン酸 ・L-メチオニン ・L-アルギニン ・グリシン ・L-アラニン ・L-チロシン ・L-プロリン ・L-ヒスチジン・L-システイン ・L-トリプトファン

 

時には、食事以外での補給も大切

とは言っても、仕事が忙しいと食事を簡単に済ませたり、また、年齢を重ねると体内のたんぱく質を分解する能力も低下します。あるいは、スポーツ選手などが激しい運動をした場合(平常と異なる状態)に、体内のアミノ酸が不足することがあります。こういった時にアミノ酸を補助的に摂取することで、体調を崩すことなく健康を維持することが出来るようになると言われています。

 

有名なものとして「BCAA」がありますが、これは分岐鎖(ぶんきさ)アミノ酸と呼ばれ、具体的には必須アミノ酸であるL-バリン、L-ロイシン、L-イソロイシンのことです。

ランニングのような持久運動を行うと体は糖質や脂肪、血液中のBCAAをエネルギー源としますが、それがなくなると自らの筋肉の材料となっているBCAAをエネルギー源として利用するために、筋肉の分解を始めてしまいます。この状態が続くと筋肉は損傷し、筋力の低下を招いてしまうのでコンディションに影響が出てきてしまいます。

そこで筋肉のBCAAがエネルギー源として使われないようにするために、ランニング時に血液中のBCAAが不足しないようサプリメントを摂取することで、運動効果を高めるというわけです。

running

 

異常アミノ酸

「異常アミノ酸」なんて言われると「ぎょっ」とするかもしれませんが・・・これは私たちの体を構成するのに使われないアミノ酸、「非タンパク構成アミノ酸」とも言われます。こういったアミノ酸は、役に立たないのでしょうか・・・・・・?

 

結論から言いますと役に立ちます!!

 

例えば有名なものに、ギャバ(γ-アミノ酪酸・GABA)があります。このアミノ酸は中枢神経系で神経伝達物質として活躍します(近年では高校生物の教科書でも取り上げられています)。

血圧を下げる効果、ストレスを緩和する効果、あるいは美肌効果など、様々な機能性研究が行われています。

 

アミノ酸研究の新展開 ~D-アミノ酸~

私たちの体をつくるアミノ酸で紹介していますが、全てに「L-」がついています。アミノ酸には「L体」と「D体」が存在し、これらを構成する要素は同じなのですが立体構造が異なる「光学異性体」の関係にあります。

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アミノ酸の光学異性体

 

近年ではD-アミノ酸についての研究が盛んに行われており、人の細胞を使った(繊維芽細胞を用いた)実験ではD-アスパラギン酸がコラーゲン繊維を太くしっかりした繊維束に導くことなども分かってきています。資生堂が学会等で発表、D-アミノ酸を配合した美容サポート飲料も発売されています。

D-アミノ酸を含むドリンクを飲むと、「唇の乾燥」や「目の周りのしわ」、「肌のつや」の改善といった効果が見られるようです。

 

自然界に存在するアミノ酸は500種類。その機能性が分かっているアミノ酸は実はごくわずかです。これから先、新しい機能が見つかっていく可能性が秘められています。


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