結局「寝だめ」はいい?悪い?
寝不足のみなさん、休日はいつまで寝ていますか?
この12月は暖かい日が続いていましたが、この数日で関東もようやく冬らしくなってきました。今朝は関西でこの冬一番の冷え込みとなったそうで、ベッドから出たくない、と思った方も少なくないのではないでしょうか。
さて、みなさんの日ごろの睡眠時間は何時間程度でしょうか?平日は毎日遅くまで仕事や趣味などで起きているという方、睡眠時間は足りていますか?子どもがいない方、独身の方などは特に、休日に「寝だめ」している方も多いのではないでしょうか。
睡眠は体を休めるのと同時に、脳を休める行為でもあります。長時間運動していると筋肉に尿酸が蓄積して疲労するのと同様、脳も活動を続けると、脳で利用したブドウ糖や脳内ホルモンの残りが老廃物として蓄積し、この状態が続くと脳はダメージを受けてしまいます。
事実、睡眠不足が続くと脳の認知機能は低下することがわかっており、ある研究によると、平日の睡眠時間が6時間以下の人の場合、例えば休日に「寝だめ」として10時間寝るようにしても、低下した認知機能はほぼ回復しないということが明らかになっています。
ただ、認知機能の回復は期待できないというだけで、長く眠れば寝不足感は解消しますし、休日を活動的に過ごすためには多少の寝坊も楽しいもの…そう思っていたところ、「寝だめ」について気になる記事を見つけました。
寝だめは太る?
ピッツバーグ大学のPatricia Wong氏らが健康な中年の男女447人を対象に行った調査によると、「寝だめ」のような仕事日と休日の睡眠時間に大きな差がある人ほど、
- 血液中の脂肪量が多い
- インシュリン抵抗性が高い傾向にある
- 胴囲が大きい
- BMI数値が高い
- 善玉コレステロール(HDLコレステロール)が少ない
などの結果が出たということです。
寝だめが認知機能の回復が見込めないというだけなら、乱暴に言ってしまえば、ゼロはゼロのまま、プラスにはなりませんというだけですが、さらに太ると言われてしまうと考え直す必要がありそうです。
ただし、寝だめする人たちが全体にこのような傾向にある理由については研究段階にあるようで、記事には以下のようにも書かれています。
なお、これらの要素は運動量・カロリー摂取量・アルコール摂取量などにも関係していますが、研究者は「毎週にわたって睡眠サイクルを変更することは、体内時計を狂わせてしまいます。その結果、概日リズムや代謝リズムが崩れ、脂肪のつきやすい体質になるのではないか」と推測しています。
どうやら寝だめそのものというよりも、体内時計が乱れることに問題がありそうです。
概日リズム(サーカディアンリズム)の乱れと言えば、以前にこちらの記事でも不眠を招くものとして解説しています。体内時計に影響するような「寝だめ」にならないよう、休日の朝寝坊には気を付けたいものですね。
寝不足感の解消には、質の良い睡眠も効果的です。ストレス対策で有名になったリラックス素材「GABA」は睡眠の質向上にも役立ちます。さほど辛くはないけれど、毎日何となく眠いという方は是非試してみてください。