お肉の発酵食品って知ってる?



様々な発酵食品

発酵は、微生物の活動により、元の物質が変化することを言います。仕組みは腐敗と同じであるものの、人間に有用なものを作り出すという点で大きく異なっており、古来より私たちの生活を豊かにしてきました。発酵は、抗生物質などの医薬品の生産や、汚水・排水の浄化などに利用されていますが、私たちに最も身近な発酵と言えば、なんといっても発酵食品にあるでしょう。

皆さんは、身近な発酵食品と聞いて、どのようなものを思い浮かべるでしょうか?

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ヨーグルト、チーズ、納豆、味噌、醤油、キムチ、漬物、塩辛などなど、私たちの生活には発酵食品が溢れています。また、発酵を利用した食品で忘れてはいけないのが、各種のお酒。このサイトで度々紹介している発酵大麦エキスも、焼酎を作る際の副産物である発酵大麦の絞り粕が原料になっています。

 

肉の発酵食品

さて、先に挙げた発酵食品の原料は、それぞれ牛乳、大豆、米、麦、野菜、魚介類となっていますが、もう1つ、私たちの食生活に欠かせない食材が肉類です。肉食の歴史が浅く、日本発祥の肉の発酵食品がないため、ピンと来ない方も多いと思いますが、一部のハムやソーセージは、肉の発酵食品です。

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ハムは塊肉を塩水や塩などで塩漬けにして乾燥させ、燻煙などの加工を施したり、そのまま熟成させたりしたものを言いますが、塩漬け後乾燥・熟成させたのみのいわゆる「生ハム」が発酵食品に当たります。イタリアのパルマ・プロシュットやスペインのハモン・セラーノが有名で、主に南ヨーロッパで作られる伝統的な食品です。

ソーセージでは、よくおつまみとして食されるドライソーセージやセミドライソーセージが発酵食品と言えます*。例えば伝統的なサラミでは、豚ひき肉に塩、ラード、ラム酒などを混ぜ、腸詰したものを低温下で2~3か月熟成して作られます。他にもペパロニソーセージやチョリソーなどもこのドライソーセージ・セミドライソーセージになります。

上記で紹介した生ハムやドライソーセージなどは、製造の工程で加熱されることがないため、発酵前は自然界に存在する各種の菌が付着した状態になっています。
塩漬けされたり塩を混ぜ込んだりするので塩分濃度が高く、また、熟成過程で乾燥するため雑菌が繁殖しにくい条件にはなっていますが、製造の過程で腐敗を防いでいるのは乳酸菌の力によるところが大きく、乳酸発酵が起こることで、汚染菌や腐敗菌を増殖を防いでいると言えます。

*ドライソーセージは水分量が35%以下のもの、セミドライソーセージは水分量が55%以下のものを言います。

 

加熱・冷凍によらずに長期保存できる肉、というと日本人としては不思議な気もしますが、世界中に地域ごとの食材を使った発酵食品が存在するということは、発酵と人間の暮らしの深いつながりを感じさせますね。

 

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