眠りと私たちの記憶
睡眠の種類
睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類がありますが、この2つにはどのような違いがあるでしょうか。
レム睡眠は英語で Rapid eye movement sleepと言います。Rapid eye movementの頭文字を取って、一般的にはREM(レム)睡眠と呼ばれます。
英語の意味からわかるように、レム睡眠には素早い目の動きが伴います。寝ている人の目の動きを確認するのは難しいです が、友人や家族など、寝ている相手のまぶたが動いていたり、(相手が半目で寝ていた場合には)黒目が動いていたりするのを見たことがある人もいるでしょう。
ノンレム睡眠は、non-REM睡眠ということで、目の動きを伴わない睡眠のことを指します。
入眠すると、まずノンレム睡眠が訪れ、次にレム睡眠、それが終わるとノンレム睡眠、というように、ノンレム睡眠-レム睡眠の順番で1晩に4~5回の睡眠サイクルを繰り返し、私たちは脳と体を休めています。
ノンレム睡眠中の記憶
眼球の動きの有無が睡眠の種類を分けていることはわかりましたが、それぞれの睡眠中、私たちの脳や体は異なる動きをしています。
入眠後はじめに訪れるノンレム睡眠では、まず脳が休息します。脳が眠っているので、音や振動などの外界からの刺激に対する反応は非常に小さくなり、『深い眠り』になります。ただし、筋肉や骨格はある程度緊張していて動くことができます。寝返りなどの睡眠中の運動は、ノンレム睡眠の最中に起こっています。
さて、脳(正確には大脳)は機能を停止しているのがノンレム睡眠ですが、この間にも記憶は行われます。ノンレム睡眠には深さによって段階があり、記憶に関連する動きも各段階で異なっています。
まず、最も深い眠りでは嫌な記憶が消去されます。次に深い眠りでは、手順に関する記憶の定着が行われます。すなわち、何らかの技術の習得はこの段階で行われます。最も浅いノンレム睡眠では、記憶の統合が行われ、物事の因果関係についての記録が作られます。
レム睡眠中の記憶
ノンレム睡眠の後には、レム睡眠が訪れます。レム睡眠は体を休めるための睡眠で、脳は覚醒しています。体は脱力していて動かすことができませんが、脳は夢を見たり、外界からの刺激に反応したり、様々な活動をしています。ほとんどの寝言はこのレム睡眠中に起こります。
音が聞こえているので、誰かの声に返事をしたり、そのまま会話が続いたりすることもありますが、本人は寝ているので、起きるとそのことを忘れてしまいます。
レム睡眠中には、エピソードの記憶が行われます。端的に言えば、起きていた間に起こったことを日記に記すようなもの。また、過去の記憶との関連付けも、レム睡眠中に行われます。
いかがだったでしょうか。私たちの睡眠には浅いものと深いものの2種類がありますが、「何かを記憶する」ためには、深い眠りだけでも浅い眠りだけでも不十分なことがわかりました。
物覚えが悪い、同じ失敗を繰り返す、その原因は睡眠の質にあるかもしれません。心当たりがある方は「良い眠り」ができるよう、睡眠環境を見直してみてくださいね。
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