気になるお酒のプリン体
尿酸の原料となるプリン体
大麦の発酵食品である発酵大麦エキスには、まだ明らかになっていないものも含め、様々な健康効果が期待されています。そのなかの1つが発酵大麦エキスが血中尿酸値に及ぼす影響に関するもの。血中尿酸値の上昇を抑える効果が期待できるとして、実用化を目指し、日々研究が進められています。
尿酸は痛風や尿管結石の原因物質として有名で、健康診断でも「尿酸値」の項目があるため、気にされている方も多いでしょう。この尿酸値の上昇に関連が深いとされるのが、尿酸の原因物質であるプリン体です。プリン体は基本的にどのような食べ物にも含まれていますので、尿酸値を気にされている方にとっては「大量に摂取しない」ことが大切です。
ご存知ですか?お酒のプリン体
プリン体は多くの食品に含まれるとはいえ、量は食品によって異なります。以前のこちらの記事でも紹介していますが、レバーやエビ、イカはプリン体を多く食材としてよく知られています。例えば鶏レバーには100gあたり310mgのプリン体がふくまれていますが、鶏レバーの焼き鳥の串1本を30gとすると、1本あたりプリン体は93mg含む計算になります。
ではお酒に含まれるプリン体はどうでしょうか?お酒の席では、ビールはプリン体が多いので危険、焼酎はいくら飲んでも大丈夫、などと言われることがありますが、本当のところはどうなのか、代表的なお酒のプリン体含有量(100mlあたりmg)を調べてみました。
1.ビール
プリン体を多く含むお酒ということでイメージの良くないビール。最近はプリン体カットのものも多く販売されています。また、製法によっても違いが出るようで、銘柄によっても含有量が異なりますが、平均すると100mlあたり5mg程度と、缶ビール1本で17.5mgという計算になります。
固体と液体という違いはありますが、缶ビール約5本でレバー串1本に相当するプリン体…ということで、極端に多いというわけでもなさそうです。
なお、発泡酒は概ね3~4mg、ビール風飲料(所謂ノンアルコールビール)は1mg程度と低く、逆に地ビール類は10~15mgと高くなっています。
2.蒸留酒(焼酎、ウイスキー、ブランデー)
いくら飲んでも大丈夫、と言われているだけあって、焼酎100mlあたりのプリン体含有量は0.0mg。ウイスキーは0.1mg、ブランデーは0.4mgと、ストレートである程度の量を飲んでもプリン体の摂取過剰、ということにはならない量です。尿酸値を気にされている方からの支持が高いのも頷けます。
3.醸造酒(ワイン、日本酒)
食事と一緒に楽しむことも多いワインや日本酒。ビールと同じ醸造酒ですが、ワインは0.4mg、日本酒も1.2mgと、プリン体含有量は少な目です。食事とお酒を同時に楽しみたい方は一安心、といったところでしょうか。
例え焼酎でも飲酒は注意が必要
プリン体を多く含む、とされているビールでも、食品のプリン体に比べるとプリン体含有量は総じて少ないことがわかりました。では安心してお酒を飲んでもいい…と思うのは早計です。
アルコールは体内で分解される際に尿酸を多く産出するため、プリン体を含む含まないにかかわらず、飲酒をすると血中尿酸値は上がります。また、アルコールは尿酸が排泄されにくくする働きもあり、さらに血中尿酸値の上昇に拍車をかけます。
つまり、プリン体が含有は少ないと言われる焼酎やワインなどでも、尿酸値が高い方にとっては、”節度のあるお酒との接し方”が重要になります。
お酒の席は楽しいもの。一人でも仲間と大勢でも、美味しい食事とお酒を楽しみたい気持ちはよくわかりますが、尿酸値が高めの方はご注意を。どうしても飲みたい!そんなときにはノンアルコール飲料で、体をいたわってあげてくださいね。