原料(大麦)とは



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大麦の起源と種類

大麦(Hordeum vulgare L.)はイネ科に属し、1万年以上も前から栽培されている世界最古の穀物の一つで、人類には欠かせない穀類です。

原産地は西アジアから中央アジアの乾燥地帯ですが、日本には中国などを経て、3~4世紀頃大陸から渡来したといわれています。日本の古い医学書『医心法』にも記されているほど、健康に良い食物として親しまれていました。

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大麦には、収穫の時点で皮が離れる裸麦と皮が離れにくい皮麦とがあり、結実する穂の数により六条種、二条種に分類されます。六条種は主に米と混ぜて炊飯する麦ご飯用の精麦に加工される他、味噌・麦茶の原料、二条種は主にビール・焼酎等の醸造用原料として使用されています。

 

大麦の栄養価とその他の麦

大麦は栄養価の優れた食品です。特に食物繊維は豊富で、精白米の約15~20倍もの量が含まれています。一般には、穀物が含む食物繊維は、不溶性(便通を良くする等)の割合が高く、水溶性(血糖コレステロールの低下、血糖値の改善等)が低くなります。しかしながら、大麦の場合、不溶性・水溶性の食物繊維をバランス良く含んでいます。食物繊維には、食事に含まれる糖分の吸収を緩やかにしたり、余分な糖分を体外に排出したりする作用があり、現代人の食生活には必須の栄養成分と言えます。

食物繊維の他にも、カルシウムは白米の3~5倍、カリウムは約2倍、ビタミンB1なども豊富に含んでいます。

大麦の成分で最も多いのはでんぷんで、次に多いのはたんぱく質です。大麦(Barley)の仲間である小麦(Wheat)には、グルテンというたんぱく質が含まれます。グルテンには粘りがあるため、小麦はパンや麺を作るのに適しています。それに対して大麦に含まれるのはホルデインと呼ばれる粘りがないたんぱく質で、麺にすると切れ切れになり、パンにすると膨らまないため、大麦と小麦とでは用途が異なっています。

この他に大麦の仲間として、ライ麦(Rye)や燕麦(エンバク、Oat)等があります。ライ麦はヨーロッパやロシアでポピュラーな黒パン等にして食べられています。燕麦は別名オーツ麦ともいわれ、オートミールとしてよく食べられています。

大麦は発酵食品の原料になる場合が多いですが、欧米では精白した大麦(丸麦)をスープやサラダ具材として使うことがあります。

 

発酵大麦エキスの原料として

発酵大麦エキスの原料となる大麦は二条大麦です。二条大麦は、殻や糠を取り除くために、表皮から磨かれ、4割ほど削られます。こうして、精白された大麦は精麦と呼ばれ、《いいちこ》の原料になります。

精麦工程は、過剰なたんぱく質を除き、でんぷん含量を高めるために行われます。また、白麹菌が増殖しやすい等の効果もあります。でんぷんとたんぱく質の適度なバランスは、醸造で用いられる微生物の働きに重要となります。

この後、精麦は地下水を吸水させて十分に蒸し上げられ、白麹菌を植え付けて麦麹にしたり、あるいは直接2次もろみに加えられます。このため、精麦工程は、焼酎や発酵大麦エキスの品質を左右する重要な工程といえます。


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