ギシギシ関節はロコモ予備軍?(2)



筋肉、骨、関節などの運動器に障害が起こり、運動機能が低下した状態をロコモティブシンドローム(通称ロコモ)と言いますが、進行すると「立つ」「歩く」などの日常的な動作にも支障をきたすようになり、将来の寝たきりリスクが上がるとも言われています。一般に、運動器は加齢によって衰えるため、日本が今後迎える超高齢化社会に向けて、様々な対策が取られています。

ロコモについてはこちら⇒「メタボ」の次は「ロコモ」!!

 

加齢による運動器の衰えはある程度仕方のないことですが、先日こちらの記事でもお伝えした通り、運動することで運動器は強化されるため、ロコモ予防に効果が期待できます。

先日の記事でも簡単に触れていますが、運動器、主に筋肉・骨・関節の強化とは、具体的には、運動することによって、筋肉や骨の細胞を増やしていくことです。新しい細胞組織を作るためには、それに見合った材料、つまり栄養素も必要になります。

今回は、運動器の強化に役立つ栄養素を紹介します。

 

筋肉の強化

筋肉の主要な成分はたんぱく質ですが、食品のたんぱく質がそのまま筋肉になっているわけではありません。体内で作られたり、食品に含まれるたんぱく質の分解によって作られたりする20種類のアミノ酸が、私たちの筋肉を構成しています。

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このうち9種類は体内で作りだすことができないため、必ず食品から摂取する必要があります。(必須アミノ酸)中でも、バリン、ロイシン、イソロイシンの3種類は筋肉の構成要素として大きく、BCAA(分岐鎖(ぶんきさ)アミノ酸)として、アミノ酸サプリメントではポピュラーな成分になっています。

ビタミンB群も筋肉を強化するのに重要な成分です。ビタミンB群はたんぱく質の分解に関与することが知られており、特にビタミンB6は、たんぱく質のアミノ酸への分解を促進しており、筋肉の形成には欠かせません。

また、「新しい筋肉を作る」ものではありませんが、糖や脂質も、運動のために筋肉を動かすエネルギーとして重要です。筋肉を動かすエネルギーが十分にない場合、筋肉は自らを分解してエネルギーを得ようとするため、運動するほどかえって筋肉が弱くなってしまう、という逆効果になりかねません。

 

骨の強化

健康な骨を作るのに必須の栄養素と言えばカルシウム。骨はおもに「リン酸カルシウム」という成分で構成されており、この材料となっています。

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カルシウムは骨の形成に必須の栄養ですが、多くの食品に豊富に含まれている栄養素とは言いがたい上、吸収率の悪いことでも知られています。

このカルシウムの吸収を高めてくれるのがビタミンDです。ビタミンDはカルシウムと一緒に摂取することで、血中にカルシウムが吸収されやすくし、さらにカルシウムが尿として排泄されるのを防いだり、骨を作る骨芽細胞を活性化する働きもあります。

このほかにも、マグネシウム、ビタミンK、たんぱく質などが骨の形成に重要な役割を果たしています。

 

今回は筋肉と骨を強化する栄養素について解説してきました。体の動きが悪くなったり、痛くなったりすると、動くのが億劫になり、ますます動かなくなるという悪循環に。必要な栄養素をたっぷりとったら、後は適度に運動してロコモ予防に努めてみましょう。(画像提供:123RF)

 

 

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