様々に利用される焼酎粕
焼酎は、大麦や米、芋などの原料をアルコール発酵させ、その発酵物である「もろみ」からアルコール成分を取り出して作られます。この工程を「蒸留」と言いますが、蒸留工程で「お酒」として取り出されるのは、アルコールや香り成分のみ。もろみに含まれるその他の成分は「焼酎粕」として残ります。
麦焼酎「いいちこ」の焼酎粕には大麦の発酵過程で生成されたアミノ酸やペプチド、ポリフェノールなどが残されており、この健康成分や旨み成分に注目して作られたのが健康機能素材「発酵大麦エキス」というわけです。
様々な健康成分を含む焼酎粕ですが、食品としての利用が一般化している「酒粕」(日本酒の絞り粕)とは異なり、その成分の90%が水分という扱いにくい性状で、以前は「廃棄物」として海に捨てられていました。2007年以降に海洋投棄が規制されて以降、各焼酎メーカーでは、焼酎粕の再利用を様々に模索しており、発酵大麦エキスもその中で生まれた商品の1つです。
焼酎粕の充電池への利用
焼酎粕は、発酵大麦エキスとして研究を進めている食品利用の他にも、肥料や飼料、バイオ燃料などに再利用されていますが、今回、新たに焼酎粕を活用した充電池の開発が発表されました。
九州発!焼酎粕(かす)から低コスト充電池を開発。電気自動車にも活用可能
この研究は、福岡工業大学工学部電気工学科の田島研究室によるもので、放充電の際の劣化が少なく長期的な利用が可能であることや、短時間で充放電する瞬発力に優れていること、焼酎製造が盛んな九州地方で商品の副産物として大量に発生する焼酎粕を利用することで製造のコストが抑えられることなどの、優れた特徴を持っています。
長期にわたって繰り返し使われ、瞬時に大きなエネルギーの供給が求められる場面に適した充電池として、ハイブリッド自動車への導入などが期待されているそうです。
地球規模で環境の悪化が懸念される中で、また、資源に乏しい日本にとって、「再利用」は大きなテーマ。今回の電池の開発に限らず、大量に発生する焼酎粕が「宝の山」となるよう、今後も様々な利用方法が生まれてくるといいですね。
GABAの原料として、また、肝機能向上や血圧正常化などの様々な可能性が期待されている発酵大麦エキスも、更なる発見を目指し、研究を進めてまいります。
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