発酵大麦エキスとクエン酸



リラックス成分として知られるGABAを豊富に含むほか、様々な健康効果が期待できるとして研究が進められている発酵大麦エキス。実物をそのまま食べる、という機会はなかなかないですが、大麦由来の香ばしさや酸味の混じりあった複雑な味をしています。

この発酵大麦エキスの酸味のもとになっている成分の1つがクエン酸。発酵大麦エキスの成分のうち、14%程度と比較的大きな構成成分となっています。

 

クエン酸とは

発酵大麦エキスの酸味のもととなる成分であること、名前にも「酸」が付いていることから、クエン酸が「すっぱい」成分であることは容易に想像できますよね。すっぱい味をもたらす成分にもいろいろあり、お酢の酸味は酢酸、イチゴやトマトの酸味はビタミンC、チーズや漬物の酸味は乳酸などが由来になっていますが、クエン酸はレモンなどの柑橘類や梅干しに含まれる酸味成分です。31643810 - traditional preservation food _ pickled plum in japan

皆さんが子供の頃、運動会の昼食などでハチミツ漬けレモンを食べた経験はないでしょうか。これは、レモンに含まれるクエン酸が疲労回復に効果があると考えられていたからです。

クエン酸の働きの1つに、乳酸を分解するというものがあります。運動を行うと筋肉には乳酸が蓄積するのですが、以前はこの乳酸が筋肉疲労の原因物質であるとされており、乳酸を分解するクエン酸を摂るのが疲労回復に効果的だと考えられていたのですね。

現在では乳酸は疲労の原因物質ではないという説が有力になっているため、乳酸をいくら分解しても、疲労回復には繋がらないということになります。

 

クエン酸と疲労回復

ただし、クエン酸疲労回復に効果がないかというと、そうとも言いきれません。

運動を行うにはエネルギーが必要ですが、運動を行う際には、筋肉や肝臓などに含まれる「グリコーゲン」という物質を分解することでエネルギーを得ています。グリコーゲンは運動をすると減少しますので当然補充する必要がありますが、グリコーゲンの原料となる糖質を単体で摂るよりも、クエン酸と同時に摂るほうがグリコーゲンが多く貯蔵されることがわかっています。

また、クエン酸はエネルギーを生み出す体の仕組み「クエン酸回路」の起点ともなっており、私たちが活動を行うために必須の成分でもあります。

現在のところ、クエン酸を摂ると運動継続時間が長くなるといったようなデータはありませんが、クエン酸と疲労回復の関係性については、まだまだ研究の余地がありそうです。

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クエン酸の効果

疲労回復以外で、クエン酸が持つ働きとして重要なのは、尿の㏗を下げ、アルカリ化すること。

尿がアルカリ性に傾くと、水に溶けにくい尿酸やカルシウムなどが尿中に良く溶けるようになり、排出が容易になります。

尿酸は痛風の、カルシウムは尿路結石の原因物質。どちらも痛いことで有名な疾患ですので、排出をスムーズにして予防に努めたいところですね。

 

他には血流の改善や食欲の増進などにも効果が見られるなど、多彩な作用を持つクエン酸。果物から簡単に摂取できますし、サプリメント等も安価に売られていますので、上手に取り入れていきたいですね。

 

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