尿酸値が高い方は要注意!夏は痛風の季節



先日、東北北部でも梅雨明けが発表され、全国的に「真夏」の時期がやってきました。昔から夏は暑いものですが、近年は特に「酷暑」とされるような暑さの日が続くようになっており、暑さによる体調不良も起こりやすくなっています。

暑さによる体調不良の最たる例と言えば熱中症ですが、実は痛風の発症も夏に多いことはご存知でしょうか。

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熱中症での救急搬送は度々ニュースになります

 

痛風は性別によって発症率が大きく異なり、男性:女性が38:1という男性の患者が非常に多い病気。また、歩けないほどの激痛を伴うことから関心も高く、ある調査では30代以上の男性の約半数は尿酸値を気にしている、という結果が出ています。一方で、夏に痛風の危険性が高まることを知っていた人は全体の2割程度にとどまっています。夏と痛風の関係を知らなければ、うっかり「痛風になりやすい生活」をすることにもなりかねませんね。

 

痛風発作が起きるしくみ

痛風は関節内にたまった尿酸の結晶が原因で発症します。

尿酸はプリン体が分解されて生成される老廃物で、生成後は尿に溶けて排出されます。ですが、実はこの尿酸は水に溶けにくい性質を持っており、1度に尿に溶けて排出される量は限られています。尿として排出されなかった分は、血液中に残され、再度尿として排出されるまで血液と共に体内を巡ることになります。

また、尿酸は難溶性の物質ですから、血液に溶ける量も当然限られており、血液中にも溶けきれなくなると、結晶となって関節などに溜まっていきます。ここまでは単に「尿酸値が高い」だけで特に痛みはありませんが、問題はこの後。

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親指の付け根は痛風になりやすい箇所です

 

関節に溜まった尿酸の結晶がなんらかのきっかけで剥がれ落ちると、その結晶は体にとって「異物」と判断されます。異物とされた結晶は白血球からの攻撃を受けることになりますが、この攻撃時、白血球は炎症を起こす物質や酵素などを分泌します。これらの物質が関節の内側から激しい痛みや腫れを引き起こすことになるのです。

 

熱中症と同じ?夏に「痛風」の危険が高まる理由とは

さて、夏に痛風の発症が増える理由について、ピンときた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

痛風の原因は、血中に溶けきれずに結晶化した尿酸。血液すなわち体内の水分量が減ってしまうと溶けきれない分が増えるということになります。暑い時期、体の水分は汗として大量に排出されます。尿酸は汗には含まれないので、汗をかいた分だけ血中の尿酸値は上がっていき、そのまま水分を補給しなければ尿酸は結晶化していきます。

つまり、夏に痛風の危険が高まる理由は脱水症状であり、熱中症と同じ理由によるものと言えるでしょう。

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こまめな水分補給が大切

 

暑いときに汗をかかないようにすることはできませんので、汗として出て行ってしまった分は飲み物などで補給することが大切です。目安は1日2~2.5リットルと言われていますが、1度に大量に飲み物を飲んでも、体は吸収しきれません。喉が渇いてからたくさんの水を飲むのではなく、喉の渇きを感じる前に少量の水分をこまめに摂ることがポイントです。

 

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