尿酸値が高い人は、痛風以外にもこんな病気に注意(1)
尿酸値が高い人が罹患する発症することで知られる痛風。ある日突然発症し、立っていられないほどの痛みが出る病気ということで、怖れている人もおおいはず。中年以上の男性の罹患率が高いため、主に男性で感心の高い方が多いようです。
尿酸値とは、血中に溶けている尿酸の濃度のことで、一般に、尿酸値が7.0mg/dLを超えると痛風の危険性が高まるとされています。
血中の尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態は、正式には「高尿酸血症」と言いますが、高尿酸血症は、痛風以外にも様々な病気の原因となります。
尿酸の結晶が腎臓に溜まる「痛風腎」
尿酸は水に溶けにくい性質の物質で、濃度が7.0mg/dLを超えると血液に溶けきれずに結晶化してきます。これが関節に溜まることで発症するのが痛風ですが、腎臓に溜まった場合、「痛風腎」になります。
腎臓は尿を作る器官で、血液中に捨てられた体中の老廃物をこし取り、尿として対外に排出する役割を持っています。痛風腎では、腎臓に尿酸の結晶が付着することで、尿を濃縮する機能が衰えていきます。
痛風腎自体には痛みやその他の自覚症状はあまりありませんが、これを放置すると腎不全の原因ともなってきます。
痛風と並んで”痛い”病気、「尿路結石」
溶けきれなくなった尿酸が「尿路」で結晶化することによって発症します。結晶化した尿酸は「結石」と呼ばれます*。「尿路」とは1か所ではなく、腎臓、尿管、膀胱、尿道と、尿が通る器官全てを指し、結石がどこかに引っかかってしまうことで激しい痛みが出てきます。
*結石は尿酸だけでなく、シュウ酸、カルシウムなども混ざっています。
最も症状(=痛み)が出やすいのは、腎臓で出来た結石が尿管のどこかで詰まってしまった場合です。脇腹、背中、下腹部に激しい痛みを生じ、場合によっては吐き気を生じたり、血尿が出たりすることも有ります。
痛みは2,3で消失しますが、再発することも多いようです。痛いだけなので死ぬことはありませんが、やはり味わいたくない病気ですね。
痛風を放置することで出てくる小さなコブ「痛風結節」
痛風を発症したばかりのとき、尿酸の結晶は関節のみに溜まっている状態ですが、適切な治療を受けずに放っておくと、皮膚の下にも尿酸の結晶が溜まっていき、小さなコブができることがあります。これが痛風結節です。

不自然なコブができています
痛風結節ができる場所はある程度決まっていて、手足の関節や耳たぶ、肘、膝、アキレス腱など。米粒程度のものからリンゴのように大きなものまで、サイズも様々です。
痛風結節自体は触っても痛くないので治療がおろそかになってしまいがちですが、進行すれば関節が変形したり脱臼したり、まれに結節が破裂して溜まった尿酸の結晶が出てきてしまうこともあります。
自覚症状がないものもあれば激しい痛みを伴うものもありますが、どれも高い尿酸値を放置したことで起こっています。裏を返せば、自分自身でコントロールできるということであり、原因がはっきりしない疾患に比べれば、はるかに向き合いやすいと言えるでしょう。
今回紹介した病気は、いずれも尿酸が結晶化して起こる、痛風と同様のきっかけによるものです。高尿酸血症の合併症には、尿酸の結晶化が直接関わらないものもあります。これについては次回、ご紹介していきたいと思います。
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