尿酸値が高い人は、痛風以外にもこんな病気に注意(2)



一般に血中の尿酸値が7.0mg/dL以上の状態を「高尿酸血症」と呼び、これがもたらす病気と言えば痛風が有名です。ですが、高尿酸血症の合併症には、痛風以外にも様々な病気があります。前回の記事では、高尿酸血症の合併症として、尿酸の結晶化がきっかけとなる病気についてご紹介しましたが、今回はそれ以外の病気について紹介していきたいと思います。

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尿酸の結晶はこんな形をしています

 

痛風腎からも進行する腎臓の病気「CKD」

尿酸の結晶が腎臓に溜まって発症する痛風腎については前回の記事でもご紹介していますが、この痛風腎がさらに進行すると、CKD(Chronic Kidney Disease:慢性腎臓病)に発展します。

CKDとは、特定の1つの病気のことではなく、慢性に経過する全ての腎臓病を指し、日本には1330万人いると推定されています。

前回も紹介した通り、腎臓には、血液中に捨てられた体中の老廃物をこし取り、尿として対外に排出する役割があります。他にも体の水分量や血圧の調整、血や骨を作るための補助的な役割を担うなど、生命の維持に関わる様々な働きをしているため、腎機能が損なわれると命の危険にも繋がります。

CKDの自覚症状としては、夜間の頻尿、むくみ、貧血、倦怠感などがありますが、厄介なことにこれらの症状はかなり進行してから現れるため、気が付いた時には腎臓は回復不能になっているケースも珍しくありません。

腎臓が回復不能となれば、人工透析や腎移植などの手段が必要になり、その後の人生に大きく影響することになります。

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人工透析

 

 

高尿酸血症とは表裏一体、生活習慣病

高尿酸血症になったために発症する、という類のものではありませんが、高尿酸血症の患者は、高血圧、肥満(内臓脂肪蓄積)、脂質異常症、糖尿病(耐糖能異常)を合併しているケースが多くあります。

例えば高血圧の場合、血中尿酸値が6.0mg/dL以下の場合だと高血圧の合併率は24.5%程度ですが、6.0~7.9mg/dLでは41.3%、8.0~9.9mg/dLでは60.7%、10.0mg/dL以上では84.7%と上がっていきます。

また、高尿酸血症患者の半数近くは、脂質異常症を合併しているという報告もあります。脂質異常症は以前は「高脂血症」という名称で知られており、健康情報番組などでよく話題になる「血液がドロドロ」の状態を指します。

これらの生活習慣病や高尿酸血症は動脈硬化の原因となり、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な病気を引き起こすことにも繋がってきます。

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健康診断などで尿酸値が高い結果が出てくると、まず心配になるのが痛風ですが、それ以外にも様々な病気に関連しています。コレステロール値や血圧、血糖値など、尿酸値以外の指標にも目を向けて、総合的に健康な状態を作ることを心がけましょう。

尿酸値をはじめ、前述したような指標を改善するには、食生活や飲酒習慣の改善、定期的な運動が中心になりますが、補助的にサプリメントや健康食品などを利用してみてもいいでしょう。尿酸値の高い低いには遺伝的な要因が大きいため、特定の対策のみを行うのではなく、自分の健康状態やライフスタイルに合わせて組み合わせ、継続していくことが大切です。

 

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