自覚症状のない高血圧、放置しても大丈夫?
機能性表示食品制度開始からもうすぐ1年半。「ギャバ」を機能性関与成分とする商品を見ることも増えてきました。ギャバを含む機能性表示食品の場合、「血圧が高めの方の健康をサポートする」「仕事などの一時的なストレスを軽減する」といった機能の表現が多いようです。
ギャバを配合したチョコレートがブームになったことで、一般的にギャバといえばストレス対策のための健康素材というイメージが強いですが、様々な研究から血圧を降下させる作用も認められています。今回はこの「血圧」のお話です。
血圧=心臓が血液を送り出す圧力
血液は全身の血管をめぐり、脳や内臓や筋肉に至るまで、体中のあらゆる組織に酸素を送っています。血管には動脈や静脈などの太いものから、毛細血管のように非常に細いものまで数多くありますが、体中を通るようにできており、全て繋げると地球2周半もの長さになるそうです。
この長い長い血管の中心で、血液の流れが止まらないように全身に血液を送り続けているのが心臓です。心臓は膨らんだり縮んだりしながら全身に血液を送り出しますが、この心臓が血液を送り出す圧力を「血圧」と言います。
体中の組織は血液が運んでくる酸素を常に消費していますので、血液はすばやく全身をめぐる必要がありますが、心臓から送り出された血液は約25秒で全身をめぐり、再度心臓に戻ってきます。これだけの短時間で血液を循環させるためには、当然心臓から送り出す時に大きな圧力をかけて血液にスピードを付ける必要があります。大動脈の心臓に近い部分の血流は新幹線並みの速さで流れているということですので、心臓がかけている圧力の大きさがわかりますね。
血圧には最高血圧と最低血圧があり、最高血圧は心臓が縮んで血液を送り出すときの圧力、最低血圧は逆に心臓が膨らむときの圧力です。最高・最低2つの血圧のうちどちらか、もしくは両方が高い状態を「高血圧」と言います。
高血圧、放っておいたらどうなる?
血圧を測ることなく、自分の血圧が高いか低いかわかるという人はいるでしょうか。
高血圧には自覚症状がないことが殆どで、体調だけで高血圧を自覚できる人は相当に少ないはずです。頭痛、頭重感、めまい、耳鳴りなどを感じることもあるようですが、これらの症状は高血圧でなくても起こりますので、自分で気づくのは難しいでしょう。
自覚症状がなく生活に支障も出ませんが、仮に高血圧を放っておくとどうなってしまうでしょうか。
常に血圧が高い状態に晒されていると、血液の圧力に耐えるため、血管の内壁は厚く、固くなっていきます。この血管が硬くなることを動脈硬化といい、様々な問題をもたらします。
血管は通常の柔らかい状態であれば、急激な血圧の変化があった場合でも、血管自体が膨らむことで衝撃を吸収していますが、血管が固くなると弾力性が失われるため、少しの衝撃でも破れやすくなります。また、血管の内壁が厚くなれば血液が流れる部分も細くなり、詰まりやすくもなります。血液が流れる道が細くなれば同じ量の血液が通るのにより圧力がかかる状態になり、ますます高血圧が進むという悪循環を招くことにもなります。
血管の破れや詰まりが脳で起これば脳出血や脳梗塞、心臓や心臓に近い血管で起これば大動脈瘤破裂*や心筋梗塞と、命に関わる疾患に繋がるため、大元の原因である高血圧は問題になるのです。
*大動脈瘤破裂は、心臓近くの重要な血管である大動脈内にできた瘤(大動脈瘤)が破裂する病気です。大動脈瘤は動脈硬化が原因となって発生すると言われています。
高血圧自体による不都合がないため、対策が遅れがちになる高血圧ですが、放っておくと深刻な事態を招く原因ともなります。自分の血圧を把握し、適性値を維持できるよう、つとめていきたいものですね。
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