いつかは飲んでみたい、世界最古のビール



成人した方ならほとんどの方が飲んだ経験があるお酒と言えば「ビール」ですね。お酒には様々な種類がありますが、飲み会などでの初めの1杯で飲まれることが多いですし、最近はクラフトビールやフレーバービールの盛り上がりもあり、ビールそのものを楽しむ人も増えてきました。

ビールの起源は6000年以上にもさかのぼると言われ、初期のメソポタミア文明(シュメール文明)の頃には、既に原始的なビールの記述が見られます。このころのビールは、乾燥させたパンが原料となっていたようですが、紀元前1500年ごろに「麦芽」を使う醸造が発見されてから、ビール造りは大きく発展したと言われています。

 

さすがに紀元前40世紀のビールを飲むのは難しそうですが、オーストラリアの博物館のチームが、今から約220年前のビールを、当時の酵母を利用して再現したそうです。

飲んでみたい?世界最古のビール 難破船で見つかった220年前の酵母から再現

34504453 - old vintage beer bottles in a wooden crate with a grunge effect.

このビールは、1700年代の難破船から回収された26本のビール瓶に残っていたビールを利用して作られました。

難破船からビールの入った瓶を回収した当時、瓶は26本ありましたが、液体として集められた量は2本分。しかも1本は酵母が死んでしまっており、残りの1本にかろうじて残されていた酵母から、5株の酵母を取り出し、約2年の歳月をかけて、当時のビールを再現したそうです。昔のビールは酸っぱいイメージがありますが、予想に反して「新鮮なアップルサイダーのような甘みのある」ビールになっているようです。

勿論飲んでみたい!という方は大勢いるでしょう。既に複数の醸造所が商品化に手を挙げているそうですが、酵母の量が足りないということで、消費者として飲むことができるのはまだまだ先になりそうです。

 

「最古のビール」の再現としては、過去にも、沈没船に残された170年目のビールを再現、フィンランドの醸造所(2014年11月)というニュースがありました。この時発見されたビールからは生きた酵母を得られなかったようで、酵母や原料をし、現在の材料で再現しています。

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ところで今回の「復刻版」ビールは、ビールに残っていた生きた酵母を増やして醸造に利用しています。ビールの中の酵母って生きてるの?と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ビールは、粉砕した麦芽やその他の穀類を煮だして濾した液体にホップで香りをつけ、酵母を加えて発酵させたもの。つまり出来立てのビールには生きた酵母がたくさん残っています。ですが、生きた酵母を残しておくと発酵が進み、ビールの味はどんどん変わっていってしまいます。これもビールの楽しみの一つですが、味が安定しないこと、消費期限が短くなることから、日本では以前から熱処理して酵母の活動を止めたビールが主流でした。

現在の日本では、熱処理の代わりに高性能のフィルターでろ過して酵母を除去する方法がとられています。

 

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