外食・飲酒が増える忘年会・新年会シーズンの飲み方・食べ方



毎年12月・1月は、忘年会や帰省、新年会などが続き、1年で最も「宴会」が増える時期です。そろそろ忘年会の予定が埋まってきた、という人もいらっしゃることでしょう。

美味しいお酒や食事を前にひとときを過ごすのはとても楽しいイベントですが、様々な健康指標に黄色信号が出ている方にとっては、目の前のお酒やお料理に少し気後れを感じてしまうものかもしれません。せっかくだから、このシーズンを楽しく過ごしたい!飲みすぎ・食べ過ぎが気になる場合、特に飲酒時に大きな負担がかかりやすい肝臓を保護する観点で、どのような点に気を付ければいいでしょうか。

乾杯

 

お酒の適量

宴会と言えば「お酒」ですが、飲みすぎは肝臓に過度の負担をかけてしまいます。医者に止められるほどではないけど、肝機能系の健康指標に自信がないという方は、飲酒量を少量に留めましょう。

一般に、1日のアルコール量の上限は20gとされています。一般的なお酒で飲む場合、下記の量が目安になります。

ビール:500ml(中瓶1本)
チューハイ:350ml(度数6~7%の場合。中ジョッキ1杯程度)
ワイン:250ml(ワイングラス2杯程度)
焼酎:100ml(シングル3杯程度)
日本酒:180ml(銚子1本)
ウイスキー:60ml(シングル2杯程度)

普段お酒を飲んでいる方だと多少物足りないかもしれませんが、乾杯の飲み物をノンアルコールでお酒は2杯目にする、一気に飲めないように瓶などで注文して小さなグラスを使うなど、工夫して量を抑えるようにしましょう。

 

肝臓に負担をかけない飲み方

アルコールは胃や小腸から吸収され、肝臓で分解されますが、肝臓に一度に大量のアルコールが運ばれると、肝臓の負担はとても大きくなります。肝臓に負担をかけないようにするには、一気に肝臓にアルコールが運ばれないようにする必要があります。

お酒を飲んだときに胃や小腸に何も食品がなければ、胃や小腸は全力でお酒を吸収してしまい、肝臓にも一気にアルコールが運ばれることになります。アルコールを少しずつ肝臓に運べるよう、必ず食事をしながら、おつまみを食べながら飲むようにしましょう。、

食べながら飲むことで、お酒を飲む量自体を少なくすることもできます。

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おつまみは高タンパク、ビタミンCを摂る

おつまみとして食べるものにも工夫できる点があります。

アルコールを分解しているのは肝臓ですが、分解の際には大量のビタミンCを必要とします。アルコールの分解の際に使われてしまいますし、尿として排出されてしまうビタミンでもあるので、飲酒の最中もおつまみから補給するようにしましょう。ビタミンCと言えば果物のイメージですが、野菜にも多く含まれています。熱で壊れやすいので、生野菜のサラダや野菜スティックなど、生野菜系のおつまみを積極的に摂ってくださいね。飲んでいる最中だけでなく、朝食・昼食時から摂っておくと効果的です。

また、アルコールの分解で肝臓は多少のダメージを受けますので、肝細胞を修復するたんぱく質も積極的に摂るといいでしょう。油分・脂肪は肝臓に負担をかけますので、揚げ物や肉類でなく、魚や大豆食品がお勧めです。

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シメのラーメン習慣はやめるのがベター

人によっては、飲酒の後にラーメンを食べたくなるという人もいると思います。これにはいくつか理由があります。

まず、飲酒をすると、肝臓は活動のエネルギーとして利用するために血液中の糖が使われ、血糖値は低くなり、空腹を感じるようになります。次に、飲酒をすると利尿作用によって体内から水分が排出され、矛盾するようですが、お酒を飲むと軽い脱水状態になることが多くあります。体内の水分は尿として排出されるため、水分と同時に塩分などのミネラル分も少なくなっています。

また、アルコールの分解は、アルコール→アセトアルデヒド→酢酸という2段階で行われていますが、このアセトアルデヒドの分解時には、アラニンやグルタミン酸と言った、必須アミノ酸も必要になります。

つまり、お酒を飲んだ後は、炭水化物が多く、水分を補給でき、適度な塩気があり、(アミノ酸による)旨みを感じる食品が欲しくなるということで、ラーメンが多くの人に選ばれているというわけです。

ただし、ラーメンには必要以上の塩分が含まれていますし、脂肪分は余計なのは言うまでもありません。血糖値も、下がっているといっても、アルコールの分解が優先されて食べたものの分解が追いつかないために一時的に下がっているだけなので、ここで更に補充してしまうと摂りすぎになってしまいます。

そんなわけで、シメにラーメンを食べるのは全くお勧めできません。できればお味噌汁やスープなど、どうしても何か食べたい場合はお茶漬けや雑炊などの低カロリーのものを少量に留めるのがベターです。

 

肝臓を十分休ませる

お酒は飲んだ後すぐに全てが分解されるわけではなく、完全に分解されるのにある程度の時間がかかります。肝臓の分解能には個人差がありますが、上記に示したような目安の量だけでも、完全に分解されるには2~3時間程度かかります。この間、肝臓は休みなく働く、つまり負担をかけている状態が続きます。

肝臓は強い臓器ですが、もちろん24時間働き続けることができるわけではなく、休養が必要です。肝臓が一番休めるのは就寝中。この就寝中まで肝臓が働かなくてもいいように、寝る前にはアルコールの分解を終えておきたいところです。

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アルコールが分解されるまでの時間を考慮すると、就寝の3時間前にはアルコール類は飲み終えるようにしましょう。

 

飲んでいるときも次の日も「楽しかったな」と思える酒席にしたいですね。

 

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