病気に負けない体作り



近年、減少し続けていた結核患者が増加し始めています。原因のひとつとして現代人の免疫力低下が挙げられています。

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免疫力とは

簡単に言えば、「病気を免れる力」のことです。私たちの体には生まれつき、自分の体内にあるもの自己とそれ以外のもの非自己を区別し、自己以外のものから自分を守る免疫システムが備わっています。この免疫システムを担っているのが白血球です。

白血球は、さらに

  • 単球
  • 顆粒球(好酸球、好塩基球、好中球)
  • リンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)

などがあり、これらが協力し合って私たちの体を外敵から守ってくれています。今回は特にNK細胞についてまとめてみました。

 

ガン細胞と闘うナチュラルキラー(NK)細胞

ガン細胞は健康な人の体でも1日に数千個発生しているとも言われています。しかし、それでもすぐにガンにならないのは、ナチュラルキラー(NK)細胞という文字通り生まれついての殺し屋が私たちの身体に備わっているからです。

NK細胞は常に体内をパトロールし、外敵を見つけ次第、即座に殺します。初期防衛を担う細胞として、特にガンの予防面では、重要な細胞なのです。

 

細胞戦争 キーワードは【活性化】

活性化された(つまり活発に働いている)NK細胞は、認識(発見)能力・攻撃能力が高いため、ガン細胞の最大の脅威となります。NK細胞が活性化すると、細胞内に外敵を攻撃するための武器(グラニュール)が出現します。そして、がん細胞に素早く結合し、グラニュールを撃ち込みます。攻撃されたガン細胞は5分以内に死滅してしまいます。

活性化していないNK細胞では、ガン細胞の認識能力・攻撃能力が著しく低下し、役に立ちません。逆に、ガン細胞に攻撃され、破壊されることもあるそうです。

我々の体内では絶えずガン細胞と免疫細胞の細胞戦争が行われています。免疫力が低下した場合には、この細胞戦争に敗れて病気になってしまうのです。

 

免疫力を高めるには生活習慣の見直しを

免疫力低下の要因には、次のようなことが挙げられます。

  • 加齢
    人間の免疫力は、18~22歳をピークに年齢と共に衰えていきます。ガン年齢の始まりと言われる40歳代の免疫力は、ピーク時の半分にまで下がり、この後も加齢とともに加工を続けます。
  • ストレス
    ストレスが免疫系に与える影響は大きく、日常のストレス管理が大切です。例えば、ネズミを過密状態で飼育すると、NK細胞の活性が1/3以下になってしまいます。また、笑うことがNK細胞を活性化することも科学的に証明されています。
  • 環境要因
    現代社会を取り巻く様々な環境悪化や環境ホルモンなども、免疫力を低下させる要因となります。また、車社会による運動不足も一因として挙げられます。
  • 食生活
    正しい食生活を送ることは免疫力を維持し、高めるために重要な要素です。飽食の時代といわれて久しい現代人の食生活は、食品添加物、加工食品、インスタント食品などの氾濫や偏食といった、免疫力を弱める環境にあります。

加齢は自然の摂理で避けることはできませんが、免疫力を低下させるような環境を改善し、さらに、免疫力を上げる努力が必要となります。

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