睡眠の「時間と質」を見直そう



立春を過ぎ、日ごと暖かくなるこれからの季節。「春眠暁を覚えず・・・」という有名な漢詩もありますが、春になると睡眠が心地良く、寝たはずなのにまだ眠たいということがありませんか?

今回は十分な睡眠時間とはどのくらいなのか調べてみました。また、必要な睡眠時間は睡眠の質とも密接に関連しています。そこで、睡眠の質と関連の深い食品成分についても併せてご紹介します。

sleep

 

必要な睡眠時間は?

良い睡眠を手に入れるためにはどうしたら良いのでしょう。参考までに厚生労働省が策定した指針を見てみましょう。この指針は、より充実した睡眠について分かりやすい情報を提供することを目的に「健康日本21(※1)」で設定されたものです。「十分な睡眠の確保」という目標に向け具体的な実践を進めていく手だてとして、厚生労働省により策定されています。

(※1)国民の健康づくりを目的に、厚生労働省が実施している運動のこと。

健康日本21の詳細はこちらから→http://www.kenkounippon21.gr.jp/index.html

 

『健康づくりのための睡眠指針2014』

第1条 良い睡眠で、からだもこころも健康に。

第2条 適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。

第3条 良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。

第4条 睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。

第5条 年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。

第6条 良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。

第7条 若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。

第8条 勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。

第9条 熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。

第10条 .眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。

第11条 いつもと違う睡眠には、要注意。

第12条 眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

(厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針2014より引用)

 

指針の中では、睡眠時間について「第5条 年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。」と記されています。さらに、この指針には解説文も存在していて、

 

第5条 解説

年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。

必要な睡眠時間は人それぞれ

睡眠時間は加齢で徐々に短縮

年を取ると朝方化 男性でより顕著

日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番

(厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針2014より引用)

 

とあります。必要な睡眠時間は人それぞれですから、「日中の眠気で困らない程度」の睡眠がとれていれば十分だということのようです。

 

とはいえ、目安になる時間は知りたいものです。

そこで「スッキリ目覚めるためには?」という視点で見てみたところ、睡眠のサイクルに合わせて考えるのが良さそうです。

ヒトは眠っている間に、眠りの浅いレム睡眠と、眠りの深いノンレム睡眠を周期的に繰り返しています。(図1:睡眠の周期)このサイクルは90分刻みになっていて、眠りの浅いレム睡眠時に起きるとスッキリ目覚めることができると言われています。ですからこの単位を参考に、自分が起きなければいけない時間から逆算して睡眠時間を決めてみてはいかがでしょうか。

ただし個人差もありますので、あくまでも参考までに。指針の内容とも併せながら、睡眠時間を考えたいですね。

レム-ノンレム睡眠

図1:睡眠の周期

[Dement,W. & Kleitman,N. 1957 Cyclic variation in EEG during sleep and their relation to eye movements, body motility and dreaming. Electroencephalography and clinical Neurophysiology 9:673-690]

 

睡眠の質とカフェイン

さて、睡眠の質についてですが、こちらについても前述の指針が参考になります。

また、就寝前の喫煙、大量の食事などにも気をつけたいところです。これらはいずれも神経や胃などに刺激を与えるため、快適な睡眠を妨げる要因となるようです。

睡眠に影響を与える食品成分の代表格としてカフェインがあります。

体内でのカフェインの半減期は4.9時間程度で、摂取量にもよりますが、カフェインの効果は4時間以上継続するとされています。このカフェインの分解能力も個人差がありますので、夕方以降のカフェイン摂取を控えてみると、睡眠の質が向上する可能性があります。最近はカフェインレスの飲み物も増えて言いますので、試してみてはいかがでしょうか。

 

睡眠をサポートするテアニンやギャバ

睡眠をサポートする食品成分として、テアニンやギャバなどがあります。

緑茶はカフェインが含まれているにもかかわらず、覚醒作用が弱いとされていますが、それは緑茶に含まれるテアニンに、カフェインの働きを抑える作用やリラックス効果があるためです。近年はこのテアニンを関与成分とした睡眠をサポートする機能性表示食品も販売されています。

また、ギャバも睡眠をサポートする成分として機能性表示食品が販売されています。

睡眠の質を向上させたい方は、テアニンやギャバが含まれている食品を試してみるのもいいかもしれません。

 

季節の変わり目は、睡眠時間や睡眠の質が変化します。この変化する時期をチャンスととらえて、自分の睡眠について改めて考えてみるのもいいかもしれませんね。

睡眠の質を上げるためのポイントについては、次回さらに詳しくお伝えします!

 

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