便秘がもたらす体の不調
健康上の悩みの中で、特に女性に多いのが「便秘」です。
女性は男性より筋肉量が少ないため、便を押し出すための様々な筋力が十分でなく、男性に比べると排便がスムーズに進まない傾向があります。筋肉量が少ないことで体温が低く腸が冷えやすいこと、臓器が下垂しやすく腸を圧迫することなども、女性が便秘になりやすい原因と言われています。
また、筋肉量とは別に、黄体ホルモンの存在も女性が便秘になりやすい原因の1つです。黄体ホルモンは妊娠のためには必要なホルモンですが、体に水分を貯めこんだり、子宮の収縮を抑えたりする働きを持っています。大腸から吸収される水分量が多いと、便は固くなりますし、子宮の収縮が抑えられることで近くにある大腸の働きも悪くなりますので、結果便秘になりやすくなります。
便秘のもたらす悪影響
膨満感と食欲不振
便秘になると、本来であれば速やかに腸を通過して排出されるはずの便が長く大腸に留まり続けます。古いものが出ていかなければ、新しいものもなかなか大腸に進めないので、その手前の小腸や胃に食品が留まる時間も長くなります。
いつまでも胃が空にならないので、お腹がいっぱいで不快な状態が長く続き、食欲も落ち、食事が楽しめなくなってきます。
吸収過多による肥満
胃や腸に食品が長く留まっているということは、それだけ消化・吸収にかける時間が長くなるということです。
胃や腸はベルトコンベヤーのように食品を出口に向かって送り出しており、その途中で食品は消化され、栄養素が吸収されていきます。ベルトコンベヤーの速度が適切であれば、栄養素を吸収しきる前に食品は流れて行くので栄養を吸収しすぎることはありませんが、便秘の場合、その速度がゆっくりなので、必要以上に栄養素を吸収してしまいます。
余分に吸収された栄養素は脂肪になって蓄えられ、肥満に繋がっていきます。食欲は落ちているのに肥満になるとは、皮肉なものです。
ニキビ・吹き出物等の肌荒れ
腸にはたくさんの菌が住んでいますが、この中の有害な菌は腸に留まった便を分解し、アンモニアや硫化水素などの有毒な成分を含むガスを発生させており、このガスが様々な悪影響を及ぼします。
これらの有毒な成分を含んだガスは便秘でないときも発生していますが、通常はおならとして排出されてしまいます。ですが、便秘の時はおならが出にくくなったり、このガスの量自体が増えたりするため、腸管から吸収され、血液に乗って全身を巡っていきます。
不要な成分が血液に多く混じることで代謝が落ち、肌のターンオーバーも乱れるため、便秘のときは肌荒れが起こりやすくなります。
肝臓への負担と肝機能の低下
血液に溶けた有毒物質は、肝臓で無害なものに分解できるようになっていますが、肝臓はこの他にも、アルコールや薬の分解、糖やタンパク質の代謝も担っているため、腸からの有毒物質の量が増えれば、その分大きな負担がかかるようになってきます。
便秘が慢性化してくると、肝臓への負担は大きくなり、やがて肝機能そのものが低下してしまうことにもなりかねません。
そして、肝機能の低下は、肝硬変や肝がんなどのより深刻な疾病のリスクを大きく高めます。
この他にも体臭や口臭がきつくなる、肩こりや頭痛を引き起こす、「いきみ」による血圧上昇で心臓への負担も大きいなど、多くの悪影響が出てきます。
食生活の改善や運動の習慣化などの基本的な生活改善を行い、場合によっては整腸剤や下剤等も利用しながら、すっきりした毎日を送りたいですね。
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