早起き過ぎて困る?早く起きる原因と快眠対策
一般的に早寝早起きはとても良いこととされており、小さな子供の頃は「良い子は夜8時に寝るようにしましょう」などと言われたものでした。さすがに大人になって夜8時に寝てしまう人はなかなかいないでしょうが、理想を言えば夜10時~11時頃には就寝し、朝5時~6時には自然に目を覚ましたいと考えている方は多いのではないでしょうか。
ところで、早起きに関することわざに「朝起き(早起き)は三文の徳」というものがあります。英語でも似たような「The early bird catches the worm」ということわざがありますが、このように早起きを推奨することわざがあるということは、わざわざ早起きのメリットを説かなければ、いつまでも寝てしまう人がいた(もしくは多かった)ということではないでしょうか。
確かに学生時代や社会人になりたての頃などは、起こされなければいつまでも眠ってしまうという経験をした人も多いはず。
加齢による睡眠時間の短縮
ですが、歳を重ねるにつれて人間はだんだん早起きになってきます。若い頃は朝8時ごろまで眠っていたかったのが、朝6時ごろ目が覚めるようになり、遂には朝3時、4時に目が覚めてしまったり、細切れの睡眠しか取れなくなってきたりします。
いくらなんでも朝3時ごろ起きたところでやることはありませんし、夜中に何度も起きるのも煩わしいものです。もっと困るのは、早起きしすぎて夕方ごろにウトウトしてしまい、だんだん昼夜逆転のような生活になってくることです。
睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠の繰り返しになっていることは多くの皆さんがご存知のことでしょう。レム睡眠は、体が眠り脳は起きている「浅い眠り」、ノンレム睡眠は脳が眠り体は起きている「深い眠り」です。
加齢によって睡眠時間が短くなるのは、1つにはこのうちレム睡眠が短くなることにあります。乳幼児期、全睡眠時間に占めるレム睡眠とノンレム睡眠の割合は半々程度ですが、高齢者の場合、レム睡眠はノンレム睡眠の1/5程度しかないと言われています。
また、もう1つの原因として、ノンレム睡眠のうち最も深い眠りの時間が短くなることも挙げられます。ノンレム睡眠は「深い眠り」ですが、深さにはレベルがあり、通常は睡眠に入るとすぐ、最も深いレベル4のノンレム睡眠到達します。ですが、高齢者の場合レベル4のノンレム睡眠に達することが少なくなり、中には全睡眠時間を通して、レベル2までしか睡眠が深くならないケースも見られます。
深く眠れない分、少しの刺激で覚醒しやすくなり、朝早くに起きたり、途中で何度も覚醒したり、ということになるのです。
朝までぐっすり眠るために
体の疲れと眠り
老化によって睡眠時間が減少するのは自然なことです。8時間通して眠れないからといって気に病む必要はありませんし、程度の差はあれど、加齢に伴って全ての人がそうなってきます。ですが、夜中に起き出してぼんやり過ごすのは楽しくありませんから、朝まで中断せずに眠れるよう、何らかの対策は取りたいところ。
まず試したいのが、昼間に十分に疲れておくことです。加齢に伴って睡眠時間が減るのは、体を動かす機会が減って肉体の疲労が軽くなるので、それほど長い睡眠が必要なくなる、という面もあります。高齢であっても体が疲れていれば回復のために長い睡眠時間が必要になりすから、日中は十分に体を動かし、体を疲れさせておくといいでしょう。
眠りと日光
また、少しでも眠りが深くなるよう、深い眠りを誘うホルモン「メラトニン」が分泌されやすい環境をつくることも効果的です。メラトニンは、日光によって合成が促進されますから、上記の「体を動かす」は屋外での活動を中心にして、日光を浴びるようにすれば一石二鳥です。
高齢者で中途覚醒・早期覚醒を自覚している場合「朝の光」には注意が必要です。朝スッキリと起きられない人の場合、朝の強い光は後ろにずれている体内時計を正常に戻す意味で大変効果的でしたが、高齢者では朝に強い光を浴びることで、体内時計が必要以上に前倒しになってしまうデメリットがあります。
年を取ったら遅寝早起き?
「早寝早起きは良い」というイメージのまま、眠くもないのに布団に入っていませんか?一般的に、布団に入ってから実際に眠りに就くまでにかかる時間は10分~20分と言われています。これより時間がかかるようなら、その時間はまだ寝る時間ではないのかもしれません。
年を取ると必要な睡眠時間は減りますから、睡眠時間は6時間程度で十分いうこともあり得ます。この場合、夜8時に寝てしまうと、十分に眠っても深夜の2時には起きてしまいますね。夜10時に眠っても早朝の4時には睡眠は十分ということになります。睡眠時間が短くなったと感じたら、起きる時間から逆算して、夜眠る時間を遅くしてみてはいかがでしょうか。
高齢者というと一般には60歳以上のイメージですが、睡眠時間は30代後半~40代にかけて変化が起きるとも言われており、早起き過ぎて困っている方は、高齢者というほどではなくても睡眠機能の老化が原因となっているかもしれません。
自分に合った睡眠のパターンを把握して、毎朝のすっきりとした目覚めを目指したいですね。
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