お酒を飲まなくても気を付けたい、肝臓に優しいデザートの食べ方



お酒の飲みすぎは肝臓に負担をかける、肝臓を休ませるために休肝日を設けるべき…というように、多量の飲酒が肝臓にとって良くないことであることは多くの人がご存知の通りですが、お酒を飲まなくても肝臓の病気にかかることは珍しくありません。

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アルコールやウイルス、薬品の過剰摂取が原因でない脂肪肝を『非アルコール性脂肪性肝疾患』(NAFLD:ナッフルディ―/ナフルド)と言います。NAFLDのうち、炎症を生じたり繊維化したりするなどの重症化したものは『非アルコール性脂肪性肝炎』(NASH:ナッシュ)と言い、放置すると肝硬変、肝臓がんといった重篤な疾患に進行することが知られています。このNASHは、NAFLDの約10%を占めています。

NAFLDは平たく言えば脂肪肝のことですので、予防のためには肝臓に脂肪を貯めない生活をすることがポイントになります。今回は、肝臓に脂肪が貯まりにくい食べ方について解説します。

 

肝臓はどうやって脂肪を貯めこむ?

肝臓に脂肪がつくということで、脂肪肝の原因が脂質の多い食生活にあるという印象を受ける人も多いと思います。もちろん脂質の多すぎる食生活は肝臓に負担をかけますが、最も注意すべきなのは食品に含まれる糖質です。

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糖は脳をはじめとして様々な器官で使われるエネルギーで、血液に乗って全身に運ばれるため、血液中には常に一定量の糖が存在しています。食事をするとこの血液中の糖の量が一時的に急上昇し、『血糖値が上がった』状態になりますが、血中に増えた糖を一度に全て使ってしまうことはできないので、肝臓が分泌するインスリンによって糖は中性脂肪に変えられ、肝臓に貯蔵されます。

貯蔵された中性脂肪は活動のエネルギーとして少しずつ利用されていきますが、貯蔵した量よりもエネルギーとして使われる量が少ない状態が続けば、肝臓についた脂肪の量は増える一方ということになります。

基礎代謝を上げたり運動したりするなどして、エネルギーとして使われる量を増やすのもの正しい方法ですが、食事の仕方によって必要以上に肝臓に中性脂肪をためないことも大切です。

 

食事の順番に気を付ける

肝臓が過剰に脂肪を貯めない=中性脂肪を作りすぎないようにするためには、食事によるの血糖値の上昇をゆるやかにする必要があります。同じ食事の内容でも、食べる順番を工夫することで、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。

血糖値を素早く、劇的に上げるのが糖質です。特に空腹時に糖質を取ることで、血糖値は急上昇します。糖質は、ごはん、パン、めん類などの、いわゆる「主食」に多く含まれています。食事をする際には、これらの主食を後回しにすると、血糖値の上昇を抑えることができます。

また、食物繊維には糖質の分解・吸収をゆっくりにする作用があるので、肝臓に脂肪を貯めない食事では、まず食物繊維を含む副菜や汁物を食べるのが正解です。その後に食べるのは主菜、魚や肉などのタンパク質のおかずです。タンパク質や脂質は吸収のスピードが遅いので、血糖値の上昇も比較的緩やかです。最も吸収されやすい主食の糖質は一番最後。当然食べ過ぎはNGです。おかずを先に食べているのであまり箸もすすまないと思いますが、ご飯茶碗に軽く1杯程度に留めましょう。

 

食事の内容に気を付ける

手軽な昼食メニューとして人気のめん類ですが、糖質が気になる人はやめておく方が無難です。ラーメン、うどん、スパゲティなどの、昼食で人気のメニューは、内容のほとんどが糖質です。食べる順番に気を付けようにも、主菜・副菜に相当する食品が極端に少なく、血糖値の急上昇は避けられないでしょう。

同様に、丼ものも通常の食事1食分よりもご飯の量が多めになっていますので注意が必要です。

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甘いものの食べ方

空腹時に糖質を取ると血糖値は急上昇します。つまり、食間の甘いおやつも危険ということです。甘いものを食べたいときは、食事の後のデザートとして、それも朝食か昼食の早い時間の食事の後にしましょう。

洋菓子の場合、バターや生クリームなど脂質の高さが気になりますので、果物や和菓子、特に糖質の分解・吸収を抑える食物繊維が豊富な、大豆や寒天を使ったものがお勧めです。おやつに菓子パンを食べている人もいると思いますが、菓子パンは小さなもの1つでも1食分に相当するほどのカロリーがあるものが多いので、菓子パンは封印しましょう。

と言っても、洋菓子の食べ応えが恋しいときもあるはず。最近は低糖質を謳ったケーキやクッキーなどが多く売られていますので、たまにはそのような中から選んでみるのもいいでしょう。

 

お酒を飲まないから…と安心せず、肝臓に優しい食生活を心がけてくださいね。特に甘党の人は知らず知らずのうちに糖質を摂りすぎていることも多いので、注意してみてください。

 

 

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