大麦乳酸発酵液ギャバ造りを支える乳酸菌のお話



今回は三和酒類(株)が造る食品素材「大麦乳酸発酵液ギャバ」について、少し学術的なお話にはなりますが、ご紹介したいと思います。

 

ギャバの造り方

発芽玄米やチョコレートなどに含まれ、健康に役立つ成分として知られているギャバ(GABA)。三和酒類(株)が造る「大麦乳酸発酵液ギャバ」は発酵法と言って、乳製品由来の乳酸菌(FC301株)を使った乳酸発酵によって造られています。この菌は、三和酒類が有している乳酸菌保存株の中で、最もギャバ生産に適している乳酸菌です。

ギャバは、グルタミン酸を原料にして生産されますが、FC301株はグルタミン酸からギャバへの変換効率が格段に優れているのです。

 

ギャバの生産には、乳酸菌が有するグルタミン酸脱炭酸酵素(グルタミン酸から炭酸(=二酸化炭素)を引き抜く酵素)が関与しており、下に示すような反応式で発酵が進んでいます。

グルタミン酸→(グルタミン酸脱炭酸酵素)→ギャバ + 二酸化炭素

多くの乳酸菌の場合、変換効率は約50~60%、変換効率の高い菌でも80%台です。しかし、FC301株の変換効率は最大96%。グルタミン酸をほぼ全てギャバへと変換する能力を持っているのです。まさに、ギャバを作るために生まれた菌といっても過言ではないのかもしれません。

 

バーレックスとギャバ生産菌の相性もバッチリ!!

乳酸発酵を行うには、栄養源豊富な培地中で培養することが必要です。しかし、ヒトで食べ物の好き嫌いがあるように、乳酸菌にも培地の好き嫌いがあります。

三和酒類ではギャバ生産において、FC301株を増やすためにバーレックス(発酵大麦由来の培地)を使用していますが、実は、FC301株はバーレックスが大好きなようで、非常に増殖がよいのです。下のグラフは、様々な培地でFC301株を増殖させた時の増殖の様子を経時的に示したものです。バーレックスの対照として、培地でよく利用される酵母エキスやポリペプトン、トリプトンを含む培地で培養しました。結果は一目瞭然。バーレックスで培養した場合は、その他の培地に比べて1.8倍ほど増殖が良くなりました。

バーレックス使用菌株:FC301株
バーレックス培地:バーレックス-Brix4.6、5%グルタミン酸Na、5%グルコース、pH5.5
CMG培地:1% ポリペプトン、1% 酵母エキス、0.5% NaCl、5%グルタミン酸Na、5%グルコース、pH5.5
TYG培地:1% トリプトン、1% 酵母エキス、0.5% NaCl、5%グルタミン酸Na、5%グルコース、pH5.5

 

大きさが1µmにも満たない乳酸菌の力で、大麦乳酸発酵液ギャバは生まれます。小さな体で大きな仕事をしてくれるFC301株。その偉大さを感じます。

 

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