日本人の睡眠障害 不眠症と過眠症



日本人は過眠症も多い

世界の中でも日本は不眠大国といわれており、日本人の約2割が不眠症患者であるそうです(1)。不眠症とはいわゆる睡眠不足、つまり眠れないことによる弊害が体に現れ、不調をきたすものですが、一方で過眠症という睡眠障害もあることをご存知でしょうか。過眠症とは日中眠るべきではない場面で突然眠くなってしまう症状です。例えば過眠症の一種であるナルコレプシー患者は、世界では1000~2000人に1人の割合とされていますが、日本人では実に600人に1人の割合で見られているそうです(2)。日本は不眠症だけでなく過眠症も多いようです。

  1. 不眠症の原因について
  2. 世界で日本人に最も多い過眠症『ナルコレプシー』とは

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ナルコレプシーの原因を突き止めたのは日本人だった!

筑波大学に「国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)」が2015年9月にオープンしました。この研究機構の機構長である柳沢教授は、空腹を知らせる脳内物質オレキシンの減少が、過眠症の原因である事を発見しました(3)

以前からオレキシンは、空腹になると視床下部から分泌される脳内物質であることはわかっていました。柳沢教授はテキサス大学でオレキシンの働きを調べるため、オレキシンの分泌量が減少したマウスを開発し研究していました。ある時、このマウスが活発に動いていたにもかかわらず突然眠ってしまう、ナルコレプシー症を発症していることがわかりました。このことから、オレキシンには「食欲をコントロールする」だけでなく「眠気を覚まし覚醒させる」という働きがある事が発見されました。覚醒状態と睡眠状態はシーソーのような関係であるのですが、今ではオレキシンにより覚醒状態が維持されている事がわかっています。

ランチ後に急激な眠気を感じる人も多いと思います。これは満腹になるとオレキシンの分泌量が減少し、オレキシンによる覚醒作用が減少した結果、睡眠状態に傾いたからといえます。私もですが、ランチはあまり食べすぎないようにしたいものですね。

  1. 睡眠障害の謎を解く

 

依存性の少ない睡眠薬の開発に成功「ベルソムラ」

さきほども書きましたように、オレキシンが睡眠状態と覚醒状態を調整していることが柳沢教授の発見によりわかりました。そこでオレキシンの分泌を弱める、またはオレキシンの働きを弱める物質があれば、新しい作用機序の睡眠薬ができるのではと考え、開発された睡眠薬がベルソムラです。2014年9月に発売され(4)、嬉しいことに他の睡眠薬と比べて依存性が少ないようです。このように画期的な薬が開発される一方で、不眠症の原因は患者によって異なるため、解決できていない不眠症もまだあるそうです。

日本では睡眠障害で3.5兆円もの経済損失が発生しているとのことですので、今後も新しい睡眠薬の開発に期待したいものです。

  1. 睡眠の本質に迫る:つくばに世界最先端の研究拠点

 

機能性表示食品を試してみては?

日本人の2割が不眠症患者であると書きましたが、ある調査では日本人の約7割が自身の睡眠になにかしらの不満を持っているそうです(5)。『睡眠薬に頼るほどではないけれども、もう少し睡眠の質を改善したい』と悩まれている方も多いのではないでしょうか

そのような声が高いためか、多くの会社から睡眠質改善を謳った機能性表示食品が販売されるようになってきました(6)。このような機能性表示食品には、グリシンやテアニン、ギャバなど、睡眠の質への効果が分かっている成分が含まれています。また、これらの成分では安全性が確認されており、商品設計も錠剤やカプセルだけでなくゼリーやドリンクなどもあるため、おいしく手軽に食べることが出来ます。

サプリメント

機能性表示食品は、あくまでも健康な人のための食品でありお薬ではありませんが、一度試してみてはいかがでしょうか?

  1. 【味の素 全国睡眠意識調査】現代日本の睡眠の実態が明らかに! 現役世代の約7割に不眠症の疑いあり!?
  2. 機能性表示食品データベース

 

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