蓄積する睡眠負債、どう返す?



先日放送されたテレビ番組の影響もあり、今「睡眠負債」が話題です。睡眠負債とは、毎日少しずつの睡眠不足が蓄積することで、放置すると癌や認知症など様々な病気の一要因となり得るとして、研究が進められているものです。

ちゃんと眠れていますか――働き盛りが危ない「睡眠負債」

OECD(経済協力開発機構)発表している国別の平均睡眠時間データでは、日本人の睡眠時間は7時間43分。7時間あれば問題ないのでは?と思う方もいるでしょうが、日本は対象となった26か国中ワースト2の短さとなっており、日本と韓国を除いては8時間を下回る国はないのであり、睡眠不足は日本人共通の問題と言えそうです。

仮に26か国の平均睡眠時間が理想の睡眠時間だったとして、その差が「負債」として蓄積されているとしたら、将来を迎えるのが怖くなりそうです。

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6時間睡眠でも平気だし…という人も危ない?

徹夜が2日、3日と続いて全く疲れを感じない、という方は滅多にいないと思いますが、いつも6時間睡眠だけど、毎日眠くない、元気に過ごしている、という人は多いかもしれません。しかし、全く疲れを感じていなくても、睡眠時間が少ない人は自分で気付かないうちに睡眠不足なっている場合があるそう。それを示す実験として、米ペンシルべニア大学医学部などの研究チームが行った研究が紹介されています。

研究は、被験者を4つのグループに分けて、それぞれ「徹夜」「4時間睡眠」「6時間睡眠」「8時間睡眠」を実施してもらいながら、14日間にわたってテストに対する反応速度を測る、というもの。

徹夜のグループが初日、2日目で著しくパフォーマンスが落ちているのは当然の結果と言えますが、注目すべきは6時間睡眠のグループで、このグループは、2週間後には反応速度が著しく低下しているにも関わらず、被験者は疲れを殆ど感じていなかったという結果が出ているのです。

毎日6時間睡眠の人は、知らず知らずのうちに睡眠負債が蓄積されているかもしれません。休日には平日よりも長く寝て、平日の疲れを癒しているというような人は、特に注意が必要です。

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睡眠負債を「返済」するには?

蓄積した睡眠不足は、単純に、より多く寝ることでしか解消できません。忙しくて寝る時間が惜しい!という人も、将来深刻な病気になると思えば、真剣に睡眠時間を伸ばすことを検討できるのではないでしょうか。

毎日2時間の不足×5日間を返済しようとすると、単純に10時間必要ですが、休日にいつもより10時間多く寝るというのは現実的ではないでしょう。毎日寝ていない人がいきなり18時間(10時間+その日分の8時間)眠ろうとしても途中で絶対に起きてしまいますし、トイレに起きたり食事をしたりすれば、覚醒した分、その後の眠りは浅くなるでしょう。何よりそんなに眠ってしまっては、生活のリズムが狂ってしまって、翌週がつらいことになるはずです。

そんなことにならないためには、やはり毎日、少しずつ睡眠時間を伸ばす方が簡単なはずです。布団に入ったらすぐに寝付けるよう、寝室はリラックスできる空間にしておきましょう。スマートフォンやタブレット端末、PCをつい見てしまう人は、見ることができないように、寝室には持ち込まないようにするべきです。

平日に蓄積した不足分を休日に補う、というのも長時間でなければ効果があります。生活のリズムを崩さない程度、1日2時間程度ならば、平日よりも余計に眠り、「返済」に当てることができます。

また、平日に短時間の昼寝をするのも効果的。遅い時間にすると夜の睡眠の妨げになるので、15:00頃までには目覚めるように調整し、30分程度の昼寝を取り入れてみましょう。午後は眠くなる、という人も多いと思いますので、思い切って昼休みの後半は昼寝に当てる、という方法でもいいでしょう。

 

高齢になるほど睡眠時間を必要としなくなるため、必ずしも8時間に拘らなくても構いませんが、特に働き盛りで週末はちょっと疲れている、という人は、日々の睡眠、気を付けてみてくださいね。

 

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