今はなかなか食べられない、うなぎの栄養
昨日は土用の丑の日でしたね。土用とは、立春、立夏、立秋、立冬の直前の18日間を指す期間のことですが、「うなぎを食べる」という文化のおかげで特に夏の土用が最もよく知られています。
夏の土用にうなぎを食べるようになったのは江戸時代から、うなぎの味が落ちる夏場にも食べてもらうための宣伝が発端と言われています。
食文化とは、例えば、夏のむくみにはきゅうりを食べると良い、風邪をひいたら梅干しを焼いて食べると効果的、のように先人の知恵がベースにあって長時間かけて形成されるようなイメージがありますが、うなぎに関しては、販売戦略をもとにした、作られた文化と言うことができるでしょう。火付け役がいて、次々と食のブームが生まる、現代の状況に繋がるものがありますね。
栄養価の高いうなぎ
販売戦略から生まれた、土用の丑のうなぎ文化ですが、はじめは宣伝効果でうなぎを食べていた人々も、何らかの「良さ」を実感できたからこそ、これだけ長く続く文化に育ったとも言えます。
現代のうなぎの売場では、「夏バテ防止」「滋養強壮」「夏のスタミナ」など、なかなか元気になりそうな健康効果がうたわれていることが多くあります。実際、うなぎは非常に栄養価の高い食品で、江戸時代の人々も、暑くて体力が落ちる夏でも、うなぎを食べることで体の調子が良くなることを実感していたのではないでしょうか。
まず、うなぎには豊富なビタミンが含まれています。特に豊富なのはビタミンA、ビタミンB1、B2。ビタミンAはレバー類には及ばないものの、蒲焼1枚で1日の必要量を賄えます。ビタミンAには粘膜の機能を正常に保つ効果があるほか、目の健康に役立つことでも知られています。
また、ビタミンB1、B2はエネルギー代謝や疲労回復に効果を発揮するビタミン。100gあたりの含有量は、ビタミンB1が豊富と言われる豚肉に匹敵しますし、ビタミンB2は「うなぎに多く含まれる栄養素」として紹介されることも多いほどです。夏バテ防止やスタミナには、このビタミンB1、B2が大きく関わっています。
また、うなぎにはミネラルも豊富で、鉄、亜鉛、カルシウムなどが含まれています。このように、うなぎには様々な栄養素を一度にたくさん摂ることができるという栄養上のメリットもあります。
江戸時代のうなぎ屋の宣伝から始まり、長らく土用の丑の日には鰻を食べるのが定番でした。ですが、残念なことにうなぎは現在絶滅の危機にあります。鰻は完全養殖が実現しておらず、養殖場で卵から孵して育てることができません。店頭に「養殖うなぎ」として並んでいるものも、天然の稚魚を採取したものがもとになっているため、自然環境にうなぎがいなくなれば、いずれ食べることはできなくなるはずです。
もともとの値段の高さに加え、このような危機的状況もあって、数年食べていない、という人も多いのではないでしょうか。美味しい鰻を食べられないのはなんとも残念ですが、様々な「代用品」が考えられており、当日はそれらを楽しんだ人も多いようです。もちろん別の食材ですから、味の面ではうなぎとは違ったものになることが多いようですが、せっかくの土用の丑の文化ですから、うなぎがなくても楽しみたいものですね。
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