健康寿命を延ばすには



ヒトは誰でも長生きしたいと思うものです。かつての権力者たちが不老不死の薬を探し求めたとの話もあることから、今も昔もその考えは変わらないのではないでしょうか。現実的に考えてみれば、不老不死とは言わないまでも、健康なまま天寿を全うしたいと思うことでしょう。

 

日本人の平均寿命

2016年の日本人の平均寿命が厚労省から発表されました。男性が80.98歳、女性が87.14歳と過去最高を更新したとのことです。戦後間もない1947年の平均寿命が男性50.06歳、女性53.96歳であったことから、この70年で約30歳も寿命が延びたことは驚異的だと思いますが、医療の進歩、栄養状態が良くなったことが要因だと言われています。

 

日本人の「健康寿命」

さて、近年、この平均寿命という言葉に対し、健康寿命という言葉が頻繁に使われるようになりました。健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されたもので、2000年にWHO(世界保健機構)が提唱して以来、寿命を延ばすだけではなく、いかに健康に生活できる期間を延ばすかということに関心が高まっています。

2013年の厚労省のデータで見ると、男性の平均寿命が80.21歳に対し、健康寿命は71.19歳(9.02歳の差)。女性の平均寿命が86.61歳に対し、健康寿命は74.21歳(12.40歳の差)とありますので、平均寿命と健康寿命の間にはおよそ10歳前後もの差があることがわかります。

グラフ_v2

健康寿命を延ばすには?

では、健康寿命を延ばすにはどのようにすればよいのでしょうか。厚労省がその対策として、「Smart Life Project」を立ち上げました。http://www.smartlife.go.jp/

その中で提案されているのが、①Smart Walk(適度な運動)、②Smart Eat(適切な食生活)、③Smart Breath(禁煙)、④健診・検診の受診の4つです。

 

①Smart Walk(適切な運動)

毎日10分程度、ウォーキングのような軽い運動がおすすめとのことです。ほんの少しの運動でも基礎代謝を高め、健康に良い影響をもたらします。

ウォーキング

 

②Smart Eat(適切な食生活)

日本人は1日280gの野菜を取っているのですが、生活習慣病予防の観点から、あと+70gの野菜を食べることが進められています。70gとはトマトなら半分。温野菜にすることで70gを摂取しやすくなるそうです。

やさい

 

③Smart Breath(禁煙)

たばこには4000種類に及ぶ有害物質が含まれており、肺がんをはじめ、食道がん、胃がんなど、様々ながんを引き起こします。また、副流煙により、たばこを吸わない人までもがんのリスクが高くなるのです。自分のみならず、周囲の人たちの健康寿命のためにも禁煙を考えてみましょう。

 

④健診・検診の受診

健診では、自分の健康状態を知ることができるうえに、自覚症状のない病気の早期発見、予防につながるといったメリットがあります。「自分は若いから」、「面倒くさいから」と思わず、毎年必ず受診しましょう。

 

「健康である」という指標は人それぞれ千差万別であるとは思いますが、まずは4つのスローガンを参考に自身の健康を保ち、「健康寿命」を延ばしていきませんか。


関連記事