健康長寿の鍵「テロメア」
皆さんはテロメアという言葉をご存じですか?テレビ番組でも健康長寿の鍵として取り上げられており、巷で話題のキーワードです。
今回はこのテロメアについて注目してみたいと思います。
テロメアってなに?
テロメアとは染色体DNAの両端に存在する反復配列で、染色体を保護する役割を担っています(図参照)。染色体複製の仕組み上、細胞分裂ごとにテロメアは短くなっていき、やがてこれ以上は分裂できない状態となります。これを細胞老化と呼びます。
このように細胞の分裂回数には限りがあることから、テロメアは寿命の回数券ともよばれています。
テロメアが短くなり分裂しなくなった老化細胞からは、炎症の原因シグナルが放出されることがわかっており、様々な病気を引き起こす原因となります。テロメアの長さを維持することが、健康寿命の延伸につながるものと期待されます。
生活習慣が影響
テロメア研究の業績で2009年にノーベル生理学・医学賞を受賞したブラックバーン博士らによると、生活習慣とテロメアの長さには密接な関係があるそうです。
テロメアの長さに影響する生活習慣とは、「運動」、「食事」、「睡眠」です。
運動:軽めの有酸素運動を週に3回程度続けるとよい
食事:野菜や魚、海草などの食事がおすすめ
睡眠:7時間以上の睡眠が大事
運動、食事、睡眠は、いずれも健康寿命の延伸に重要とされてきましたが、細胞のテロメアレベルにおいても有効であるということです。
瞑想でストレス解消
心理的なストレスもテロメアの長さに大きな影響を及ぼすことが知られています。
ストレスとテロメアの関係で最近注目されているのが、「マインドフルネス」と呼ばれる瞑想法です。瞑想によりストレスを軽減することで、テロメアの長さが保たれやすくなります。
マインドフルネスの実践効果は健康分野にとどまらず、医療現場や企業、教育現場など、様々な分野でその効果が注目されています。企業での活用事例としては、Google社が有名です。
最後にひとつだけ。テロメアは健康長寿の鍵であると期待できますが、決してテロメアの長さだけで寿命が決まってしまうというわけではありません。
ですから仮にテロメアの長さを測定した場合でも、その結果に一喜一憂する必要はありません。あくまでも健康維持の要因のひとつとしてテロメアの存在を知り、普段の生活を見直すきっかけにしていただければ良いのではないでしょうか。
テロメアを意識して、細胞レベルで若返ってみませんか?
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