冬の肌荒れはなぜ起こる?



11月も終わりに近づき、昼間でも寒い日が増えてきました。もうすぐ冬がやってきますね。冬は低温によってさまざまな体の不調があらわれる季節ですが、肌にとっても過酷な環境になります。夏の暑さと強い紫外線も悩ましいものですが、冬はもっとも肌荒れがひどくなる、という人は多いはず。

冬になると肌荒れがひどくなるのはなぜでしょうか。また、どのような対策が必要でしょうか。

 

空気の乾燥による肌荒れ

冬になると、お手入れの方法を変えていなくても、肌がつっぱる感じがする人は多いと思います。これは肌が乾燥している証拠。そのほか、肌がけば立ったようにかさついたり、かゆみが出たり、手足であればひび・あかぎれができてしまう人もいるでしょう。

冬、このような肌荒れが起こりやすい理由の1つが、空気の乾燥です。

乾燥した冬の日、外に洗濯物を干していると、非常に寒い中でも意外なほどに洗濯物は早く乾きます。これと同じことが、肌でも起こっていて、空気中に水分が少ないほど、肌からは水分が奪われやすくなります。

水分を失った皮膚の細胞は、体の内外を明確に区切るバリアの働きを十分に果たせなくなります。ますます水分は奪われやすくなり、外部の刺激にも弱くなるので、目に見えてかさついた状態になるほか、乾燥が進んで肌に亀裂ができたり、粉塵などの外部からの刺激に反応し、かゆみがあらわれたりします。

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寒さによる肌荒れ

乾燥のほかには、冬の寒さも肌荒れの原因となります。

私たちの体は、一定の体温を保つことで様々な活動ができるようになっており、平常時は36℃~37℃程度となっています。例えば気温が-10℃のような低温であっても、体温まで同じように下がってしまわないのは、体温36℃程度を維持できるよう、自律神経によって体内で様々な器官が働いているからです。

血管もその1つで、気温が低くなると収縮し、血流量を減らすことで、血液から体温が逃げるのを防いでいます。

血管が収縮すると、体全体としては体温は保たれるものの、当然ながら収縮した血管の周辺の血流は悪くなります。肌は体の最も外側にあって外気の影響を受けやすいため、気温が低い場合は早い段階で血流が悪くなる部分です。血行が悪くなると、血液による栄養や水分の補給が滞るため、傷ついた肌の修復も遅れ、肌荒れも進行しやすくなるというわけです。

このほか、表皮の細胞にあり、温度センサーの役割を果たしているタンパク質が、バリア機能にも影響を与えていることもわかってきました。このたんぱく質はTRPV4というもので、表皮の細胞間を埋める役割を果たしていますが、活性温度帯である27℃~37℃を下回るとこの働きが悪くなり、バリア機能も弱くなることがわかっています。

このように、冬の乾燥と寒さは、複数の気候によって肌のトラブルを招いています。

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冬の肌荒れを防ぐには

冬の肌荒れの大きな原因は、乾燥と寒さにあるということで、冬に美肌を保つためには、この2つに対する対策が重要になります。

まず、乾燥を防ぐため、室内では加湿器を利用するなどして、湿度を60%程度に保てるようにしましょう。特に乾燥しやすい関東地方では、1月の平均湿度が50%を下回り、日によっては30%程度まで下がることもあります。また、暖房は乾燥しやすいので、室内は屋外よりも乾燥してることが珍しくありません。燃焼を伴わないエアコン暖房は特に乾燥しやすいため、加湿機能も利用するなどして、湿度の維持に努めるようにしましょう。

「寒さ」も肌荒れの原因となりますので、乾燥するからと言って暖房をつけないのも良くありません。湿度に注意しながら適切に暖房器具を使いましょう。どうしても乾燥が気になる方は、石油ファンヒーターやガスファンヒーターなどであれば、燃焼時に水が生成されるので、乾燥は幾分マイルドになります。また、外気に触れる部分は血流が悪くなりがちなので、室内でも体を覆うタイプの衣類で過ごすようにすると、血行不順を防ぐことができます。

 

11月の下旬から、3月ごろまで、寒く乾燥した季節は少なくとも4か月程度は続きます。場所によってはより冬が長い地方もあるでしょう。冬の湿度・寒さ対策をして、肌荒れ知らずの冬を過ごしたいですね。

 

 

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