痩せたければ良く眠れ?!睡眠と肥満の関係



人間が肥満しやすいことについて「人類の歴史は飢餓との闘いだった」ということがよく言われます。

現代の日本で飢餓に苦しむことは稀ですが、食料が豊富にあるのが普通になったはつい最近のこと。狩猟時代も、農耕が始まってからも、人類の歴史の大部分で、食料を安定して確保することは難しいことだったのです。今を逃せばいつ食べられるかわからないという環境の中で、できる限りたくさん食べ、余剰分は排泄される前に速やかに脂肪として蓄えるのことは、生存の可能性を上げる重要な能力だったというわけです。

飽食の時代になってもこの能力はいまだ健在。多くの人が肥満に悩まされています。

 

太らないようにするためには?

夜9時以降は食事を摂らない、夜更かしをしない、食事では野菜から食べ始めるなど、肥満防止には様々なことが言われますが、最も重要なのは、エネルギーとして使う量よりも多く食べないということです。深夜11時に食事をしても、深夜2時まで起きていても、1日に消費するカロリーより多く食べなければ体重は増えません。

肥満防止として挙げられている上記のような内容は、食べ過ぎた分を無効にしてくれるといった魔法のような効果があるのではなく、少しの量で満足できるようにするための工夫といったところでしょうか。夜通し起きていた経験がある方ならわかると思いますが、遅くまで起きていると、寝ていたら気づかない空腹に気づいてしまうので、夜食を摂ったりおやつを食べたりしてしまい、消費するカロリーより多く食べていた、ということは珍しくありません。

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睡眠不足が食べ過ぎを招く

さて、夜更かしと肥満は直接の関係はありませんが、夜更かしした次の日でも早起きしなければならない、つまり睡眠不足の状態になると、今度は肥満にかかわりが出てきます。

私たちの食欲は様々な仕組みによって制御されていますが、睡眠不足に陥ると、食欲を制御する仕組みの1つであるホルモンのバランスが崩れることが知られています。食欲の制御に関連のあるホルモンで、代表的なのはレプチンとグレリンの2つ。レプチンは満腹を感じるのに必要なホルモン、グレリンは食欲を増進するホルモンです。睡眠不足に陥った際、食欲を抑えてくれるレプチンの血中濃度は下がり、食欲を増進するグレリンの血中濃度は上がります。すなわち、睡眠不足の状態では食欲が増進されやすくなるということです。

グレリンは単に食欲を増進させるだけでなく、脂質や糖質など、よりエネルギーの高い食品の嗜好を高めるという効果があるため、野菜サラダをたくさん食べるというのでは満足できず、ラーメンやドーナツをたっぷり食べたい!という食欲として現れます。

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日中の活動も肥満防止に繋がる

睡眠に関係の深いホルモンに、セロトニンというものがあります。セロトニンはよく「幸せホルモン」などと紹介され、うつ病の発症にも関連するとされています。セロトニンは夜になると、メラトニンという睡眠を促すホルモンを分泌するために使われます。

このセロトニンにも食欲を制御する効果があり、セロトニンが十分であれば正常に満腹中枢が刺激され、健全な食行動ができますが、セロトニンが不十分になると満腹中枢の刺激が不十分となり、食欲が抑えられなくなることがあります。

セロトニン不足は摂食障害の一要因としても知られており、セロトニン不足で過食傾向があらわれるのはもちろん、拒食傾向にも関与しています。

セロトニンは、太陽が昇っている日中の間に盛んに作られています。日中に太陽の光を浴びて活動することは、食欲を正常に保ち、また、睡眠を促すことで、さらに私たちを肥満から遠ざけてくれるでしょう。

 

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