発熱するのに風邪じゃない。ストレス性高体温症とは?
12月に入り、寒さが一層厳しくなったこの季節、インフルエンザや風邪が流行しやすい時期となりました。この時期に発熱するとまずこの2つを疑いますが、実は、解熱剤や風邪薬が効かない発熱「ストレス性高体温症」というのがあることをご存知でしょうか。
ストレスによる発熱「ストレス性高体温症」とは?
風邪やインフルエンザにかかった時、体内ではウイルスを感知し、炎症反応が信号となって、脳、交感神経、筋肉が体温を上げることでウイルスを撃退しようとします。このとき信号となるのがサイトカインやプロスタグランジンE2(PEG2)と呼ばれる物質です。風邪薬や解熱剤はこれらの産生を抑えることで、解熱効果を発揮します。
一方、精神的なストレス状態(例えば、仕事が忙しい、家事・育児・介護で疲れ果てる、極度に緊張するなど)になると、交感神経が活発になることによって体温が上がります。この精神的ストレス下で高熱が出たり、微熱が続く状態、これを「ストレス性高体温症」といいます。このときサイトカインは関係しないので、風邪薬や解熱剤を飲んでも熱は下がりません。風邪やインフルエンザは体内から排除されれば熱が下がりますが、ストレス性高体温症はストレス自体を排除しない限り高熱が出たり、熱が出たり引いたりといった症状が続きます。
どう対処すればいい?
極度の発熱が続くのであれば病院で受診しましょう。薬物投与や瞑想などのリラクゼーション、心理療法が行われ、各人にあった治療法が取られています。
また、日常生活で対策・予防をしましょう。まずは十分な休養を取ること、質の良い睡眠をとることが挙げられます。仕事や勉強をすべてやろうとせず、優先順位を決めて効率よくやることで休む時間を確保する、というのもひとつの手です。そのほか、アロマを利用したり、適度な運動をすることなど、自身が「心地よい」と感じることを試してみてはいかがでしょうか。
現代人は常にストレスに晒されています。ストレスによって免疫が落ちることで風邪などの感染症にかかることもありますが、ストレス自体に体が反応して自律神経バランスを崩し、精神面だけでなく肉体面でも身体が危険信号を出していることが「ストレス高体温症」です。真面目な人ほどかかりやすい病気ですので、疲れた時は思い切って休んだり、自分の趣味に没頭するのもよいのではないでしょうか。
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