焼酎かすをリサイクル、それが発酵大麦エキス



このサイトでたびたびご紹介している発酵大麦エキスは、大麦を原料とした天然素材100%の健康食品素材です。

リラックスや睡眠改善効果がで知られるなギャバ(γ-アミノ酪酸)を豊富に含むほか、クエン酸などの有機酸やオリゴ糖なども含み、健康食品素材として、市販されている様々な健康食品にも取り入れられています。

イムバランス+ギャバ(ニチモウバイオティックス株式会社)
ギャバ(GABA)(総合メディカル株式会社)

 

酒の製造と粕

大麦が原料となっている発酵大麦エキスですが、大麦から直接製造されているわけではなく、焼酎を製造する課程で発生する焼酎粕(かす)がもとになっています。

一般的にお酒(アルコール)は、原料となる食品に酵母などの菌を加え、この菌の作用で食品がアルコール発酵することによって作られています。焼酎や日本酒の場合、原料となる麦や米には糖でなくデンプンが含まれるため、酵母を加える前に、原料に麹菌を繁殖させてデンプンを糖化する工程が入ります(製麹-せいきく-と言います)。ワインの原料となるブドウのように、原料にはじめから糖が含まれている場合は製麹の工程はありません。

この後、酵母の作用によって発酵が進むと、アルコールを十分に含んだ発酵物が出来上がります。焼酎や日本酒の場合、このアルコールを含む発酵物は「もろみ」と呼ばれます。

日本酒やワインのような「醸造酒」に分類されるお酒は、この発酵物を絞ったりろ過したりして、アルコールを含む液体を「酒」として取り出します。一方で、焼酎やウイスキー、ブランデーなどの「蒸留酒」に分類されるお酒は、この発酵物を加熱蒸留し、アルコールを含む液体を「酒」として取り出します。すなわち、焼酎に限らず、多くの酒造りの工程ではアルコールを抽出したあとに「粕(かす)」が残ります。

発酵大麦エキスのもとになっているのは、三和酒類株式会社で製造する本格麦焼酎の焼酎粕です。

 

困った副産物から生まれた「発酵大麦エキス」

今でこそ発酵大麦エキスの基として健康への有効性が認められている焼酎粕ですが、もともとは産業廃棄物として捨てられていました。

お酒を作った後の「かす」として最もよく知られているのは、日本酒の酒粕です。日本酒の酒粕は、独特のあまみ・旨味があり、甘酒や粕漬などに使用されることからもわかる通り、食品としても認知されています。

これに対して、焼酎粕は日本酒の酒粕とは見た目が大きく異なります。スーパーなどで売られる日本酒の酒粕が、水分の少ない味噌のような性状であるのに対して、焼酎粕の90%は水分で、より液体に近い性状をしています。水分が多いため変質しやすく、以前は海洋投棄と言って、海に直接捨てて処理されていました。

ですが、環境保護の観点から2001年以降海洋投棄が禁止され、多くのメーカーは、多量に発生する焼酎粕の処理に苦慮してきました。始めは畜産飼料としたり、肥料としたりするような、直接的な利用が広がりましたが、近年ではバイオマス燃料や、食品素材としてなど、より幅広い利用方法が研究されています。

発酵大麦エキスもそんな中で生まれた素材の1つです。地球環境と人間の双方にとって「優しい」素材となれるよう、日々研究が進められています。

 

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