不快な「冷え」対策には生姜をどうぞ



強い寒波の影響で、非常に寒い日が続いています。風邪やインフルエンザなどのウイルス性疾患が流行し、強い乾燥は肌荒れのもとにもなります。

健康の維持が難しい寒い季節に、体調管理を一層難しくしているのが、体の「冷え」。もっともよく知られる「冷え」は手や足などの体の末端が冷えるもの。寒い屋外にいるときはもちろんのこと、室内でも、特に寝る前にベッドに足を入れたときなどの竦むような不快感はとても辛いものですよね。冷えを感じる部分は必ずしも末端とは限りませんし、体全体が冷えるという人もいます。

 

冷えとは何か

「冷え」は西洋医学では病気と定義づけられていませんが、東洋医学では非常に重要な概念になっています。単に寒いだけだろうと思いがちですが、例えば真冬の屋外で薄着で数時間過ごすとすると非常に過酷な状況が想像できるでしょう。冷え性は死に繋がるような疾患ではありませんが、体が冷えるということは、当事者にとってその場にいるだけでも大変につらいものになります。西洋医学が基本となっている現代でも、冷えを明確に疾患として定義付けようとする試みも行われています。

「冷え性」の定義の明確化に向けて : 「冷え性」調査用問診票(寺澤変法)の有用性の検討

 

体を温める「ショウガ」

さて、冷えの原因は生活習慣や運動不足、遺伝などといわれていますが、冷えを解消するために手軽に行われるのが、食事による対策です。漢方を元にした考え方で、体を温める食べ物、冷やす食べ物と分けられることがありますが、体を温める効果が高いものとして知られるのが生姜です。

生姜の辛味成分であるギンゲロール(ジンゲロール)、ショウガオールには、発汗作用、血管拡張、血流改善などの効果があるとされ、これらの成分によって体が温まると言われています。「冷え」が主観的な症状であることもあり、これらの成分が実際に人の冷えに及ぼす影響についての研究は多くありませんが、以下のような効果も発表されています。

生姜抽出物の経口摂取が冷え性の人のエネルギー消費等に及ぼす効果
冷え性女性の皮膚表面温度におけるショウガ麹の効果

また、漢方では単なるショウガではなく、生の状態(生姜)か乾燥した状態(乾姜)かによって効果・効用が異なるとされており、生の状態では発汗促進や吐き気の抑制、乾燥した状態では冷えの改善や血流の改善など、別々の目的で利用されます。

 

ショウガの食べ方

生のショウガは意外にも痛みやすいので、保存の意味でも乾燥させるのは非常に有効です。泥を落として皮付きのままスライスし、天日に干すだけ。天気の良い日ならば1日でも乾きますが、低温が続く冬の時期には数日かかる場合もあります。乾燥させたショウガは、料理や飲み物にそのまま入れて使うことができますが、フードミルやすり鉢などで粉末状にしておくと使いやすくなります。

また、少し手間はかかりますが、ジンジャーシロップを作るのもおすすめです。手間がかかると言っても、ショウガをスライスして砂糖をまぶして数時間置いた後、水を加えて好みのスパイスとともに煮込むだけなので難しくはありません。

少ない量で作ると煮込んだ時に減ってしまうので、ショウガ200g、砂糖200g、水350mlくらいが目安ですが、神経質にならなくても大丈夫。スパイスはカルダモン、クローブ、ローリエ、シナモンなどが向いていますが、香りが苦手な方は好きなもので構いません。煮込んだ後はショウガとシロップを分け、シロップにレモン汁を加えて完成です。シロップをお湯や炭酸やジュースなどで割ったり、お酒にいれても美味しいですよ。

今年は寒い冬がまだまだ続きそうです。体を温めて、元気に過ごしてくださいね。

 

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