高血圧によって引き起こされる問題
健康診断などで必ず測定される血圧。病院などに行くと、自分で血圧を測定できる機械が置いてあることもあり、血圧を知る機会は意外に多くありますが、皆さんは自分の血圧がどの程度か把握していますか?
血圧とは、心臓に血液が取り込まれ、送り出されるときにかかる圧力のことです。血圧には最高血圧と最低血圧があり、心臓が縮んで血液を送り出すときの圧力は最高血圧、逆に心臓が膨らんで血液が取り込まれるときの圧力は最低血圧と呼ばれています。
高血圧が引き起こす問題
生活習慣病と絡めて、よく健康上の問題となるのが高血圧です。高血圧とは、最高血圧・最低血圧のどちらか一方または両方が、一定の基準より高い状態になっていることを言います。現在の基準では、最高血圧が140以上、最低血圧が90以上で「高血圧」と診断され、且つこの中でも血圧の程度によって3段階に分かれています。また、最高血圧が130~139、最低血圧が85~89の状態を「正常高値」と言って、要注意レベルであることを示します。
高血圧には、自分でそれと気づくような症状がないことがほとんどで、直接的に命に関わるということもありません。それでも高血圧が問題となるのは、高血圧が血管の柔軟性と強度に悪影響を与えるためです。
血管に流れる血液の量は常に一定というわけではなく、暑いときは体表面の血管では体温を下げるために血流量が増える、運動しているときは筋肉によりたくさんの酸素を送るために筋肉を通る血管の血流量が増える、というような変化を繰り返しています。血流量が増えたときに血管の太さが変わらなければ血管が破れてしまうので、血管は柔らかくできていて、血流量の変化によって、拡張したり縮小したりするようになっています。
血圧の高い状態が続くと、血液の圧力に耐えるため、血管の内壁は厚く、硬くなっていきます。硬くなれば強度が上がるかといえば逆で、柔軟性を失った血管は変化に弱くなり、急激な血圧の変化によって容易に破れてしまうようになります。
また、内壁が厚くなると詰まりやすくもなり、一旦詰まってしまうと酸素が供給されなくなった細胞は死んでしまうことになります。血管の破れや詰まりが脳で起これば脳出血や脳梗塞、心臓や心臓に近い血管で起これば大動脈瘤破裂や心筋梗塞と、命に関わる疾患に繋がるため、大元の原因である高血圧は問題になるのです。
塩分の摂取量と高血圧の原因
高血圧の原因は1つではありませんが、塩分の摂りすぎによって血圧が高くなることは医学的にも証明されています。
塩分に含まれるナトリウムは、生き物が生命を維持するのに必須となる成分で、血中にも常に一定量が含まれています。一方で、ナトリウムが多くなりすぎると、体の様々な機能に不都合が生じるため、一定の濃度よりも濃くならないように常に調整されています。食事などを介して塩分を取りすぎると、血中のナトリウム濃度も濃くなりますが、それを薄めるため、血液中には水分が取り込まれます。血液の嵩が増えるため、それを送り出す力、すなわち血圧もその分高くなるという仕組みです。
昔に比べると、保存技術の進んだ現代では、高塩分の食品は少なくなっていますが、厚労省の調査によると、日本人の平均的な塩分摂取量は、男性で1日あたり11g、女性で9.2gとなっており、世界保健機関(WHO)の目標値5.0gを大きく超えているのが現状です。
ナトリウムは生命維持に必須の成分ではありますが、肉や魚にはもともとある程度含まれているため、通常の食生活で不足することは滅多にありません。高血圧には自覚症状がないため、つい対策を後回しにしがちですが、重大な疾患に繋がる前に、日ごろの食生活を見直すことが大切です。
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