発酵食品に利用される酵母のちから



発酵食品とは、微生物の力を借りてつくる食品の総称であり「健康や美容によさそう!」なといったイメージがありますよね。

発酵食品の中でも、お酒・パン・醤油などの製造には酵母と呼ばれる微生物が利用されています。酵母はアルコール発酵や香味の付与などで食品の味に大きな影響を与えますが、それだけに留まらず、様々な機能性を持った成分を産生し、食することで健康増進に繋がることもわかってきました。酵母の仲間には様々な種類があり、造る食品よって使う酵母もまた様々ですが、それぞれどのような機能性があるのでしょうか。

 

清酒酵母の機能性

清酒(日本酒)の製造には清酒酵母といわれる酵母が使われています。あるヒト試験によると、この清酒酵母を食べることで睡眠の質に関わるデルタ波のパワーが増大するという研究結果があります。

参考文献:Japanese sake yeast supplementation improves the quality of sleep: a double-blindrandomisedcontrolledclinicaltrial.

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/jsr.12336

 

また、清酒酵母の中には機能性物質であるSAMe: S‐adenosylmethionine(サミー)という機能性物質を高い濃度で体内に蓄積しているものもあります。

サミーは、アミノ酸の1種であるメチオニンから合成される物質で、成分としては医薬品に分類されています。うつ病や関節痛などへの機能性が期待されている成分です。

醤油・味噌酵母の機能性

醤油や味噌に利用される酵母は、その製造工程でHEMF:4-ヒドロキシ-2(or5)-エチル-5(or2)-メチル-3(2H)-フラノン(ホモフラネオール)を生産します。HEMFはカラメル様の香味成分であり、醤油や味噌の味に大きく影響を与える成分といわれていますが、動物試験の結果から、抗酸化性や抗腫瘍効果の効果も期待されています。

参考文献:醤油の香味成分HEMF

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/101/3/101_3_151/_pdf

 

今回ご紹介した酵母(微生物)の例はほんの一部ですが、乳酸菌や納豆など、他にも機能性を持った発酵食品は数多くあります。微生物のちからを借りながら、健康な体づくりに利用してみてはいかがでしょうか。

 

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