最新のガン検診研究



年1回は受けておきたい健康診断。皆さんは、きちんと受診できているでしょうか。病気の中には、早期には自覚症状がなく、症状が現れた時には、かなり進行しているという病気が少なくありません。そのため、定期的な健診を受けることで、早期発見、早期治療し、自らの健康を守ることができます。

現在の健康診断の診断項目は、年齢や職種により内容は異なりますが、身体測定(身長・体重・腹囲)、血圧、視力、胸部X線、尿検査、血液検査、心電図が一般的です。更に、任意でガン検診を受診している方も多いのではないでしょうか。

今、このガン検診の分野で新たな技術開発が行われています。

 

未来の健康診断は・・・

今のガン検診は、血液検査やPET検診、胃カメラなどがありますが、費用が高額であったり、体に負担がかかるものもあります。しかし、このような問題を解決してくれる新たなガン検査方法が、間もなく実用化されようとしています。

キーワードは、“線虫”です。

 

線虫がガンを見つける時代が到来

線虫は、体長1㎜程の動物であり、土壌中にも存在する非常に身近な生き物で、イモ類や稲など農作物に被害を及ぼす厄介者として知られています。この厄介者が、今、ガン検診に革命を起こそうとしています。嗅覚受容体が犬より多く、嗅覚が優れている線虫の特徴を利用することで、人の尿からガン診断をするという研究が行われています。

検査方法はいたってシンプル。

線虫を乗せたシャーレに尿を一滴垂らすだけで、ガン患者から採取した尿には線虫が近づいていき、健常者の尿からは逆に逃げていくのです。その発見率は驚異の95.8%。

この検査方法では、①尿1滴で検診が可能、②検診結果が最短で10分、③検査費用が数百円と安価、④ステージ0~1という早期ガンの発見もできる、⑤胃ガン、大腸ガンなど様々なガンを一度に検出できるなど、これまでの検査方法にはない様々な利点が確認されています。ガン細胞が作り出す何らかの成分が尿に溶け込み、線虫がエサと勘違いして近づいて来るのではないかと考えられていますが、どういった成分なのかは不明とのことです。

現時点で、ガンの種類の特定はできないとのことですが、将来、遺伝子組み換え線虫を使うことで、それも可能となる時代が来ることでしょう。

 

ガンはあらゆる病気のなかでも最も死亡率の高い病気であり、長年日本人の死因第1位を占めています。また、ガンの恐ろしいところは、初期にはほとんど自覚症状がないことです。そのため、発見されたときにはすでに進行していたというケースも少なくありません。線虫のガン検診の実用化は2020年の予定です。この技術によって誰もがガンの早期発見を実現できる世の中がくることを期待したいと思います。

 

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