つまずきやすくなった。転んでしまう。 それは「ロコモティブシンドローム」かも知れません



「ロコモ」という言葉を聞いたことがありますか?これは、ロコモティブシンドロームの略で、立つ、歩くといった運動機能が低下した状態のことを言い、具体的には骨、関節の機能低下、及び筋肉量の減少が原因で発症します。

「寝たきり予防はロコモ予防から」ということで、国(厚生労働省)はまずはロコモという言葉の認知拡大に取り組み、ロコモ対策として様々な活動を行っています。

例えば、厚生労働省が健康づくり運動として、「健康日本21」を策定し、身体活動・運動分野の目標を定めました。この目標を達成するためのツールとして「健康づくりのための身体活動基準2013」が発表され、Facebookページも開設されています。更にこの基準を達成するための実践的な手段を、国民向けのガイドライン「アクティブガイド」によって伝えています。

 

ロコモの入り口「サルコペニア」

ロコモティブシンドロームのなかでも、とくに筋肉の減少を「サルコペニア」といいます。これはギリシャ語から来ており、「サルコ」=筋肉、「ぺニア」=消失、欠如を意味します。つまり「筋肉量が減少している」状態のことで、サルコペニアになると骨にも悪影響を及ぼし、骨折しやすくなります。骨折すると更に、体を動かすことがなくなり・・・といった悪循環が始まって、完全なロコモ状態となり、最終的には寝たきりになることもあります。このことから、サルコペニアはロコモの入り口と考えられています。

個人差がありますが、40歳を過ぎると加齢による筋肉量の減少が徐々に見られるようになり、年齢を重ねるごとに筋肉の減少率は高まります。1年で5%以上の減少率となることもあり、特に60歳を過ぎると更に減少率は加速すると言われています。

 

特に注意!「サルコペニア肥満」

サルコペニア肥満とは、言葉の通り、サルコペニアと肥満が組み合わさった状態のこと意味します。サルコペニア肥満は、筋肉量は少なく、脂肪は多い状態です。サルコペニアだけ、肥満だけ、といった方よりも病気のリスクが高まります。外見はスリムなため、気が付きにくいと言えますので、日常的に体脂肪率やBMI、筋肉率等を気にかけることが大切です。サルコペニア肥満の可能性が高い方は、早期に改善に向けて動き始めましょう。

 

予防するには?

筋肉、骨、関節の機能が低下するロコモ。では予防するにはどうしたら良いでしょうか。

健康でい続けるためには、バランスのとれた食事や適度な運動など日々の生活習慣がとても大切です。

 

食事

骨を作る栄養素としてよく知られているカルシウムは牛乳、小魚、大豆製品に多く含まれています。また、骨を強くするには、ビタミンDやKが必要です。ビタミンDは腸でのカルシウムの吸収を促進する作用があり、乾燥きくらげや干ししいたけ、しらす干しなどに多く含まれています。ビタミンKは骨の形を維持するのに必要で、青汁、納豆等に多く含まれています。

この他に、筋肉を作る栄養素としては、タンパク質とアミノ酸があげられますが、特に体内で合成することができない必須アミノ酸であるBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)は積極的に摂りましょう。BCAAを多く含む食材は、マグロの赤身、牛肉、鶏肉、卵、大豆、チーズなどです。

 

運動

有酸素運動よりも、筋力トレーニングの方が筋肉量を維持・増加させるには有効です。例えば、脚の筋力を鍛えるにはスクワットなどが適しているようです。

「ロコトレ」といって、ロコモ予防のために日本整形外科学会が勧めている簡単なトレーニングがあります。目を開けたまま片足立ちしたり、ゆっくりとスクワットしたりする方法です。

ロコモの症状が出る関節、骨、筋肉の細胞の半分が入れ替わるのにかかる時間は、関節で117年、骨で7年、筋肉で1~2か月。また、骨や筋肉の量のピークは20~30代です。若いうちから運動や姿勢を保つことで骨量や筋量を良好な状態に保ち、シニアになった時の低下を抑制することができます。

 

必要な栄養素をしっかり摂ったら、適度に体を動かして、ロコモ対策をしましょう。

 

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