お口と体の健康のために!口内フローラ(口腔細菌叢)を整えよう



口内には様々な微生物が常時存在することが知られています(口内フローラ)。そしてその中には、人体に悪い影響を及ぼす悪玉菌も存在します。特に、虫歯の原因菌としてミュータンス菌、歯周病の原因菌としてジンジバリス菌などが有名です。

最近の研究によって、口内フローラは生活習慣病などの全身疾患にも関わることがわかってきましたので、悪玉菌を抑え口内フローラを整えることの重要性は高まっていると言えます。

 

虫歯の原因、ミュータンス菌とは?

ミュータンス菌とは、学名をストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)といい、虫歯(う蝕)の原因菌の一つです。ミュータンス菌はプラーク(歯垢)や糖質を養分として乳酸を作り出し、歯を溶かしてしまいます。

ミュータンス菌は赤ちゃんの時に、口移しや食器の共有によって感染すると言われています。特に生後19か月から31か月の間に感染しやすいと言われており、この期間にミュータンス菌に感染しなければ、虫歯になりにくくなると言われています。

 

歯周病の原因、ジンジバリス菌とは?

ジンジバリス菌は学名をポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)といい、歯周病の原因菌の一つです。ジンジバリス菌は嫌気性菌、つまり酸素が嫌いで歯と歯茎の間「歯周ポケット」に入り込み、炎症を引き起こします。

このジンジバリス菌は歯周病を引き起こすだけでなく、歯ぐきから血管に入ると心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすこともわかってきました。また、糖尿病や誤嚥性肺炎、骨粗しょう症、早産などとの関係も示されています。

 

口内フローラを整えよう

口内フローラと全身疾患の関係は研究途上であり、わかっていないことも多いのですが、口の中を清潔に保つことが大切であることは言うまでもありません。では、口内フローラを整えるにはどうしたらいいのでしょうか?

 

①歯磨き

日常的には、歯磨き(ブラッシング)によってプラーク(歯垢)を除去することが大切です。歯垢1mg中に約10億個の細菌がいると言われていますので、日々丁寧に歯垢を摂ることを心掛けたいですね。歯ブラシだけでは取り切れない部分はデンタルフロスや歯間用ブラシを使うことも必要です。

 

②歯石除去

磨き残しの歯垢は、時間がたつと歯石として蓄積します。歯石は歯磨きの効率を悪くしますし、自分自身で除去できませんので、定期的に歯科医院でクリーニングしてもらう習慣をつけましょう。

 

③口腔内に作用する乳酸菌の摂取

最近は、口内フローラを整えてくれる乳酸菌も市販されています。菌の種類は、LS1菌、ロイテリ菌、L8020、WB21などがありますが、自分に合った乳酸菌を見つけてみてはいかがでしょうか。タブレット形状やマウスウォッシュタイプで、歯磨きの後に使います。

 

お口の中の悪玉菌を減らし善玉菌を増やすことが、より健康な毎日の生活に繋がりそうです。

 

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