夜中に目覚める「中途覚醒」すぐに眠るためには?



不眠を感じる人は多い

床に就いてから眠りに就くまでに長く時間がかかったり、朝まで続けて眠ることができなかったりというような問題があり、それによって日中に倦怠感や眠気を感じるなどの不都合が生じている状況を、不眠症といいます。

平成28年の国民健康・栄養調査によると、直近1か月(調査時点)において、睡眠による休養が「あまりとれていない」「まったくとれていない」と回答した人は、19.7%と、日本人の5人に1人が睡眠に問題を感じていることがわかりました。また、日本では不眠に悩む人が年々増加しており、多くの成人にとって共通の悩みとなっています。

平成28年国民健康・栄養調査報告(厚生労働省)

 

不眠症というと、ベッドに入っても目がさえてなかなか寝付けない、というイメージがありますが、この症状は不眠症の中でも「入眠困難」と呼ばれるものです。ほかには夜中に2回以上目が覚めてしまう「中途覚醒」、希望する時間より前に起きてその後寝付けなくなる「早期覚醒」も不眠症によくみられる症状です。

中途覚醒、早期覚醒の症状に悩む人は意外に多く、医薬品・医療機器メーカーのMSD株式会社が2015年に40代~70代の男女8,000人を対象に実施した調査によると、入眠には問題がないが、中途覚醒・早期覚醒の症状を自覚している人は55%と半数に上りました(入眠困難のみは34.4%)。

中高年の不眠に関する意識と実態調査(MSD株式会社)

 

中途覚醒の要因、1つは加齢によるもの

夜中に何度も起きてしまって熟睡できない原因には、病気によるものやストレスによるものなどいくつか考えられますが、影響が大きいのは加齢によるものです。上記の調査も40代以上を対象としたものになっていますが、中途覚醒・早期覚醒は、そもそも中高年以上によくみられる不眠の症状です。

睡眠は、レム睡眠(浅い睡眠)とノンレム睡眠(深い睡眠)の繰り返しになっていることがよく知られており、個人差はありますが、深い睡眠~浅い睡眠の1サイクルは90分前後とされています。加齢が進んでくると、このサイクルが不規則になり、通常は明け方に起こる最も浅い睡眠が、夜間にも何度か出現するようになります。このタイミングで、何らかの音、光、体の不快感などの刺激を受けると、睡眠を継続できなくなり、目が覚めてしまうことになります。

睡眠サイクルの変化は加齢によって誰にでも起こるものなので、夜中に目を覚ますということだけでさほど深刻になる必要はなく、目が覚めた後もまたすぐ眠ることができれば問題ありません。

 

中途覚醒を防ぐには

眠るのは「眠くなってから」

中途覚醒が頻繁に起きると、睡眠不足が気になりますね。前日あまり眠れなかった分、早めに就寝して睡眠時間を調整しよう…というのは、不眠の症状がある場合はNGです。寝室の環境を整えることは重要ですが、お茶を飲んだり本を読んだりといったリラックスするための行動に使わず、眠るためだけの部屋にしておきましょう。

 

水分を摂りすぎない

眠りが浅い状態のときに刺激になりやすいのが尿意です。夜間に尿意を感じることがないよう、飲食・飲酒は就寝の3時間前までに済ませて必要以上に尿が作られないようにし、また、就寝の前には1度トイレに行きましょう。

下半身のむくみは夜間の尿意に繋がりやすくなります。運動不足の人や、立ち仕事をしている人などは下半身がむくみやすいので、入浴やストレッチなどでむくみを取ることを心がけてください。

当然ですが、頻尿が病的なものである場合は、そちらの治療が先になります。

 

完全に目覚めないようにする

どうしても起きてしまった場合でも、またすぐに眠ることができれば問題ありません。起きてしまったときに時計を見たり、携帯電話を見たりするなどして時間を確認する行為は、自分が十分眠れていないことを意識しないようにするためにもやめましょう。

また、強い光や音、衝撃などは、脳が完全に覚醒する刺激にもなるため、例えばトイレに立つ場合でも、廊下や洗面所も含めて、明るくしないことも大切です。常夜灯や足元灯、持ち運びができるポータブルライトなどを使って、できる限り照明をつけずに用を済ませるようにしましょう。携帯電話の明かりにはブルーライトが含まれているので、照明として使うのも控えたほうがいいでしょう。

 

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