眠くないのに出るあくび、なぜ?
会議や授業などの場面や、誰かと話をしているときなどに、あくびをしたくなって困った経験がある人は多いと思います。あくびをしたくなるのは、眠かったり退屈だったり、目の前のことに集中できていないからと一般には考えられていますので、相手に失礼だし、こちらも申し訳ない気持ちになるものです。
でも、とくに眠くなかったり、退屈だとは思っていなかったりするときでも、あくびが出てしまうことがあります。
どのようなときにあくびが出る?
一般によく知られている通り、眠いとき、退屈なときにはあくびが出る回数が増えます。ただし、あくびが出るときには必ず眠くなっている、退屈を感じている、というわけではありません。
例えば、何らかの大きな舞台で、自身の登壇が控えているとき。このような大舞台の前にあくびをする人は多いそうです。また、動物もあくびをすることは知られていますが、猫が縄張りを巡って一触即発の雰囲気にあるときなども、頻繁にあくびをすることがあるそうです。
この2つはどう考えても眠くなるような場面ではありませんよね。いずれも自分自身のパフォーマンスを最大にして、最良の結果を出そうとするタイミングです。このように、緊張しているときにもあくびが出ることはよくあります。
他にも、疲れているとき、空腹を感じているとき、寒さを感じているときなどにあくびが出る人もいます。
あくびの意義はよくわかっていない
あくびが出るとき、脳のちょうど真ん中あたりにある視床下部のオキシトシン神経系からあくびを出す信号が発せられますが、どのようなときに、どのような目的であくびが出るのかは、実はあまりよくわかっていません。
あくびは深く息を吸い込む動作であるため、酸素を多く取り入れ、体の酸欠状態を解消するための行為とも考えられてきました。ですが、あくびで取り込める空気の量は通常の呼吸に比べて多くなく、あくび後の体内の酸素濃度も大きく上昇はしないため、この説は現在では否定されています。
他には、筋肉や骨格を動かすことで脳を覚醒状態にするため、血流を促して冷たい血液を脳に送り、脳の温度を調節するためなど、現在でも様々な仮説が立てられ、研究されています。
ところで、あくびはうつることが知られています。この仕組みもよくわかっていませんが、相手の感情を理解しようとする行動の一種ではないかという説が考えられています。他人の感情を感じることが苦手な自閉傾向のある患者では、あくびの伝染は起こりにくいそうです。
あくびがうつるのは人間だけではありません。犬や猫を飼っている人であれば、自分があくびをしたときに犬や猫もつられてあくびをした経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
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