秋が深まる11月が旬のお魚、おすすめの3種
秋の味覚にはいろいろありますが、多くの人に人気がある秋刀魚は、9月~10月が旬で、11月に入るとそろそろ終わりになります。私も秋刀魚が大好きですから、残念なような、来年が楽しみなような気持ちにもなりますが、もちろん、晩秋は晩秋で美味しい魚はたくさんあります。
海水が冷たいので、天然ものは脂が乗って美味しい魚が多くなりますよ。これからの季節が旬の魚を集めてみました。
煮魚で美味しいキチジ
煮つけだとカレイや金目鯛なども美味しいですが、私が一番好きなのがキチジです。キチジは11月ごろから旬を迎えます。キチジは正式な名前ですが、北海道周辺での呼び名である「キンキ」という名前の方が有名かもしれませんね。私の出身地である福島県の南の方では、アカジと呼ばれていました。
脂に旨み・甘味があり、白身の魚なので青魚のような魚臭さや癖がなく、食べやすい魚です。身離れがよく骨も少ないため、魚は面倒で…という人にもおすすめ。個人的に一番好きなのが、キチジの肝の部分。苦みが少なく柔らかく、脂の旨味が感じられて、私はあん肝よりもこちらの方が好きなくらいです。
自分で書いていて早速食べたくなってきましたが、キチジは1尾1,000円以上する、いわゆる高級魚なのが難点。数十年前はお安い大衆魚だったそうで、私がまだ小さかった30数年前も多少は安かったのか、母はよくキチジを煮つけたものを食卓に出してくれていました。
さっぱりと食べられるイナダ・はまち
冬に旬を迎えるブリが出世魚だということをご存知の方は多いでしょう。イナダ・はまちは、ブリが小さいときの名前です。60cmくらいまでのものはイナダやはまちなどと呼ばれます。いずれも同じ魚を指していて、元々はイナダは関東圏、はまちは関西圏でのよばれ方でしたが、現在は天然ものならイナダ、養殖ものだとはまちと使い分けられることも多くなっています。
ブリは脂が乗った魚ですが、その子供であるイナダ・はまちは脂の乗りが控えめ。私はブリの刺身だとしつこく感じてしまう方なのですが、イナダ・はまちならば刺身で食べるのが好きです。ブリに比べるとイナダ・はまちは価格が安いので、気軽に食べることができます。私の家の近所のスーパーでは、2~3人分くらいの量の刺身が400円足らずで販売されていることもあります。
ちなみに、このイナダ・はまちは、だいたい80cm以上になるとブリに出世するわけですが、60~80cmくらいのときは「ワラサ」として出回っています。
脂が乗ったサワラならこの時期
サワラは「鰆」と書き、瀬戸内海沿岸の地域ではよく食べられる魚ですが、最近は関東のスーパーでもよく見かけるようになりました。字が表す通り、旬は春とされていますが、産卵直後の夏の一時期を除いては食べることができます。ブリと同じく出世魚であり、サワラは最も成長した姿で、幼魚はサゴチ、ヤナギという名前で出回っています。
旬が春とされているのは、春の時期には産卵のために瀬戸内海沿岸に集まっており、その周辺でたくさん獲れるためです。残念ながら私は食べたことがないのですが、産卵の時期であるため、瀬戸内海沿岸の地域では、卵(真子)や白子などを煮つけたものもよく食べられているとか。私はふぐの白子を焼いたものが好きなのですが、サワラの白子も美味しそうです。
私は、身の部分しか食べたことがありませんが、晩秋から冬の時期にかけては脂が乗ってくるので、サワラはこの時期のものが一番好きです。煮たり焼いたりすると白っぽくなりますが、サワラはサバ科で、長距離を泳ぐのに必要なタンパク質(ミオグロビン)を多く含んだ赤身の魚です。サバほどには主張が強くない、たん白な味わいなので、どのような味付けにも合いますが、私は寒い時期のサワラは塩焼きで食べるのが一番好きです。
番外編:皮が固めの大きいイクラ
イクラは魚そのものではありませんが、やはり秋口から晩秋が旬なので、この時期にはよく生のものが出回っています。同じ魚卵のタラコに比べるといくらはずいぶん高価な食品です。加工済のものは高いので、生ものが並ぶ時期に自分で醤油漬けを作ってたくさん食べる!という人も多いのではないでしょうか。
サケは産卵場所まで川を上って行きますので、川のどのあたりで獲れたか、すなわちいつ頃獲れたかによって、イクラの成熟度合いも変わってきます。当然、サケは秋口から遡上を始めますので、11月のイクラはかなり成熟が進んだもの。1粒1粒が大きめで、皮も厚くなっています。
完全に好みの問題になりますが、私は皮がしっかりして噛んだ時のプチプチ感が強いイクラが好きなので、一般には終わりに近いこの時期のものをよく買います。皮が固いので、バラすときに少し力が入ってしまっても潰れません。まだ作ったことがない方は、イクラの醤油漬け、挑戦してみてはいかがでしょうか。
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