普通の服でも痒くなる、冬の痒み対策
気温が下がる冬は空気が非常に乾燥する季節です。毎年のことですが、息苦しいほどの湿気に悩まされた夏が嘘だったのでは?と思うほど空気が乾きます。特に太平洋側では、冬の間は風が強い日も多く、乾燥をより強く感じさせますね。冬の季節に多い肌トラブルと言えば、皮膚の痒みです。乾燥するとなぜ痒くなるのでしょうか?
乾燥すると痒みが出てくる理由は?
痒みが起こる仕組みは完全には解明されていないものの、「ヒスタミン」という物質が痒みを引き起こす1つの要因であることは広く知られています。
ヒスタミンとは、体内の様々な細胞内に存在している物質です。特に肥満細胞という細胞に多く存在しており、この肥満細胞から放出されるヒスタミンが、痒みを誘発することが知られています。外部からの刺激によって肥満細胞から放出されたヒスタミンが、痒みの神経を刺激するため、私たちはその刺激に痒みを感じるのです。
体に有害化無害かに関係なく、基本的には体の外側にあるもの全てが、ヒスタミン放出を招く「外部からの刺激」になり得ます。ですが、無害なものにまでいちいち反応していては生活が立ち行かなくなりますので、無用な刺激は肥満細胞に伝わらないようにする必要があります。この「バリア」機能を担っているのが、皮膚表面の皮脂膜、角質層、角質層を満たす水分。皮膚が健康な状態のときは、皮脂膜や角質層、そこに含まれる水分によって、無用な刺激は皮膚の内部には入り込まないようになっています。
ですが、空気が乾燥してくると、この皮膚表面の皮脂膜が薄くなり、水分は蒸発し、角質層には隙間ができて、バリア機能が弱くなってしまいます。このような状態になると、普段は何ともない衣類であっても、痒みを引き起こす刺激になる場合があります。
乾燥による痒みに保湿が有効なのは、皮膚表面から失われた水分を補うことで、弱ったバリア機能を修復することができるからです。
肌着も効果あり
普段は何でもない洋服が刺激になって痒みを引き起こしている場合、服による刺激が肌に伝わらないようにすることも有効です。特に体の動きによって衣類が体に擦れることは、大きな刺激になります。服の擦れが直接肌に触れないようにするためには、肌着を付けることも有効です。
ただし、肌着は皮膚に触れることになるため、慎重に選ぶ必要があります。一般に、通気性が良い天然素材が良いとも言われていますが、天然素材であっても刺激となることはありますので、一概に綿が良い、シルクが良い、というものではありません。何が合うかは自分の感覚次第ですので、手間にはなりますが、自分が付けてみて肌触りが良いもの、刺激を感じないものを選んでいくしかありません。
また、近年多くの企業から販売されている、暖かい下着にも注意が必要です。これらの下着は、吸湿発熱繊維という特殊な繊維で出来ています。体表面の水分(水蒸気)を吸収し、その水蒸気が液体に変わるときに熱を発するため、暖かくなるという仕組みになっています。
この繊維を使った肌着では、皮膚表面の水分を吸収してしまうので、肌はよけいに乾燥することになります。皮膚が健康な状態の時であれば暖かく冬場にありがたいのですが、肌が乾燥して痒みを感じる人はこのような肌着は避けるのが無難です。
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