人気上昇中のルイボスティーの抗酸化作用
日中の水分補給にお茶を飲む人は多いですが、緑茶、ウーロン茶、紅茶などの一般的なお茶にはカフェインが含まれるため、特に若い女性の場合、控えている方も多くいらっしゃいます。そのような方に人気なのが、ハーブティなどの、チャノキ以外の植物を使ったお茶、茶外茶です。

緑茶や紅茶や烏龍茶にはカフェインが含まれています
茶外茶の中でも人気の高いルイボスティー
茶外茶の中でも人気が高いものにルイボスティーがあります。健康産業新聞が発表したところによると、2016年10月~2017年9月の、健康茶の売上金額構成比(食品スーパーの売り場を基準とした民間のPOSデータ集計)は、ルイボスティーがウーロン茶を抜いて1位(21%)となったとのこと。
ルイボスティーは、ノンカフェインのお茶として、特に女性の人気が高いそう。カフェインには様々な作用がありますが、特に妊婦の場合は、過剰摂取が胎児の生育不良、早産・死産に影響する可能性が示唆されています。妊娠を希望する女性や妊娠中の女性で、カフェイン入りの飲み物は控えているという人は多くいます。また、カフェインは母親の血液を通して母乳にも移行するため、授乳中の女性でもカフェインを避けている人が多く、20代から40代の子育て世代の女性にはノンカフェインの飲み物はとても人気があります。
Restricting caffeine intake during pregnancy(WHO)
食品中のカフェイン(食品安全委員会のファクトシート)
実際に、株式会社ネオマーケティングが実施したアンケートでは、複数の茶系飲料のうち、ルイボスティーは「好き」と回答した人の男女差が最も大きかったという結果が出ています。ルイボスティーを「好き」と回答したのは、男性が14.2%だったのに対し、女性は32.8%、18.6ポイントも差があります。
また、記事の中でも考察されていますが、ルイボスティーは健康効果として抗酸化作用が期待されており、そのあたりも女性人気の理由として考えられます。

ルイボスティには、発酵茶(レッドルイボス)、未発酵茶(グリーンルイボス)があります。
ルイボスティーの抗酸化作用
ルイボスティーには、アスパラチン、ケルセチン、ルテオリンなど、複数の抗酸化物質が含まれていることが知られています。それらの抗酸化物質が、体内の抗酸化レベルを一時的に高めることは、いくつかの研究で明らかにされています。
こちらの研究では、15人の被験者に、発酵ルイボス(グリーンルイボス)、未発酵ルイボス(グリーンルイボス)、水(プラセボ)を500ml摂取してもらい、その後の血漿の抗酸化能を調査しています。実験の結果、最も抗酸化能が上昇したのは未発酵のグリーンルイボスで通常時の6.6%上昇、発酵済のレッドルイボスでも抗酸化能は2.9%上昇したとの結果が得られています。
また、この抗酸化能の上昇は一時的なものであり、数時間後には消失したとことも明らかになっています。
Unfermented and fermented rooibos teas (Aspalathus linearis) increase plasma total antioxidant capacity in healthy humans
DéboraVillaño Food Chemistry 2010 Dec ;123(3):679-83
一方で、抗酸化レベル上昇の効果を否定するような研究結果もあります。
Bioavailability and antioxidant potential of rooibos flavonoids in humans following the consumption of different rooibos formulations
Breiter.T Food Chemistry 2011 Sep 15;128(2):338-47
こちらも、発酵ルイボス(グリーンルイボス)、未発酵ルイボス(グリーンルイボス)、プラセボを12人の被験者に摂取してもらう実験を行っていますが、この研究では、血漿の抗酸化能に有意な影響を与えていない、と結論付けられています。
これらの研究から、ルイボスティーの抗酸化作用は、期待よりは小さく、不安定なものでありそうだと推測できます。仮に医薬品ほどの効果があれば、逆に飲みすぎることによる弊害についても心配しなければなりませんから、お茶として継続して飲む物であることを考えれば、穏やかな効果を期待できる健康茶として有用な飲み物と言えそうです。
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