測りにくい「睡眠の質」どう判断すればいい?
良い睡眠は心身の健康に大きく影響していることは広く知られています。睡眠の重要性が広く認知されるにつれ、日本人の短い睡眠時間が問題視されることも多くなりましたが、時間に加えて、近年注目度が上がっているのが『睡眠の質』です。
「睡眠の質」とは何か
「睡眠の質」という言葉はよく見かけるようになりましたが、特に公的な機関が定める定義のようなものはありません。文脈によって様々な基準が取られることがありますが、睡眠の質を判断する基準は、専用の機器によって測れるものと、自分自身の実感によって判断するもの、大きく2パターンで説明されるのが一般的です。
「良い睡眠を取れた」実感の種類
睡眠の質を判断する基準のうち、専用の機器によって測れるものとは、睡眠の深さ、ノンレム睡眠の有無、規則的な睡眠サイクルの出現などが挙げられます。
最近は、腕時計型や置時計型、ベッドパッド型など、個人で睡眠の状態を計測できるような機械も増えていますし、より正確に測る場合は、医療用で脳波を測定する機会を顔や頭に装着する方法などもあります。
私の睡眠は良い睡眠?『睡眠の質』計測方法いろいろ

一方で、睡眠の時間や深さなどが十分であっても、自分でよく眠れたと感じられなければ睡眠の満足度は低いままになってしまいます。数値やデータにすることはできませんが、寝つきの良さや昼間の眠気などの自分自身の実感・体感も、睡眠の質を知り、睡眠を改善する手掛かりになります。
寝つきの良さ
ベッドに入ってから実際に眠りにつくまで、どのくらいの時間がかかりますか?寝付くまでにかかる時間は20分以内の人が多いですが、30分程度であれば平均的、問題ないと考えていいでしょう。
夜間に起きる回数、再度寝付くまでの時間
就寝中にトイレに行きたくなって起きるというのはよくある話ですので、夜中に1回起きる程度ならば心配はいりません。何度も目が覚めてしまったり、目が覚めたらその後なかなか寝付けなかったり、そのような「中途覚醒」がある場合は注意が必要です。
寝起きの良さ
目が覚めた後も眠気が残り、場合によっては二度寝してしまう場合は、睡眠時間が足りていない可能性があります。必要な睡眠時間は人によってそれぞれ異なりますので、寝る時間を少し早める必要があるかもしれません。
起床時の気分、疲労感
睡眠は脳と体を休ませる活動です。十分に眠った後は疲労が回復し、活気・活力感を感じられるはず。そうでなければ、睡眠時間が足りていないか、睡眠の質の低下を疑ってみましょう。
昼間の眠気の有無、強さ
昼食後、1時から2時の時間は最も眠気を感じやすい時間帯。眠気を感じるのがこのお昼の時間帯だけであれば問題ないでしょう。
睡眠に満足できている人の割合は?
厚生労働省が毎年調査している、国民健康・栄養調査でも、睡眠の質についての実感を問う調査を行っています。2012年、2014年、2016年、2017年の調査では、睡眠で休養が取れているかどうかを4段階で回答する調査が行われました。

日本人の睡眠時間に問題があることが知られるようになってから数年が経過していますが、睡眠の質はあまり改善していないようです。
また、どの年次の調査でも、睡眠の質の低下を自覚している人は40歳代の人が最も多い、という結果になりました。ちょうど、仕事の量が増えたり、責任が重くなったり、育児や介護が忙しくなったりする年代と重なっています。
他には、他の年代よりは少ないものの、60歳以上の高齢者でも、睡眠の質に問題を感じている人の割合が増えてきているのも気になります。
前日の疲労を残さない、活力あふれる毎日に睡眠は不可欠です。
睡眠時間もさることながら、自分の生活を振り返り、睡眠の質の改善についても考えてみてはいかがでしょうか。
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