種類豊富な青汁、どう選ぶ?



青汁は幅広い層から人気を集める健康食品です。現在の青汁の原型となった商品は戦後間もなくからあったようですが、一般に知られるようになったのは30年ほど前からです。当時人気となった商品は、「ケール」という野菜が原料になっており、面白いCMと強烈な味で有名になりました。

ちなみに、ケールはキャベツの仲間にあたる野菜ですが、味も栄養価も全く異なります。キャベツは淡色野菜ですが、ケールは緑黄色野菜。βカロテンの量は、可食部100gあたりでキャベツが50μgなのに対し、ケールは2900μg、60倍ほどの開きがありますので、仲間とは言え全く別の野菜です。キャベツを絞っても青汁にはなりそうにないですね。

 

青汁が選ばれる理由

健康食品を購入する理由は人によって違いますが、青汁は「野菜の代わり」としてよく選ばれています。

味が苦手だったり、満腹感に繋がらなかったり、加工のバリエーションが少なかったり、野菜は不足しがちいなることは多いもの。それを手軽に補うことができるのが健康食品ですが、中でも、青汁が選ばれるのは、ビサプリでとれる以外の、野菜特有の栄養素や総合力なども期待しているからではないでしょうか。

また、足りない野菜を補給する手段としては、野菜ジュースも人気の食品です。野菜ジュースは青汁よりも飲みやすい、美味しい味になっているものが多いですが、果汁や糖分も多く、野菜が使われている量は青汁に比べると一般的に少なめです。その分たくさん飲んでしまうと、糖分の摂りすぎが心配になってきます。

野菜を取るのは毎日のことですから、糖分を気にしなくてよく、野菜成分が凝縮された青汁を選ぶのは理にかなっています。

 

原料の野菜で選ぶ

青汁にはたくさんの種類がありますが、せっかく野菜の代わりに飲むのですから、どのような野菜の青汁なのかは気にしておきたいところです。以前は青汁といえばケールが原料のものがほとんどでしたが、今は他にも様々な野菜が使われています。

 

大麦若葉

 

ケールに代わって新たな定番となっているのが「大麦若葉」です。大麦は他のイネ科植物と同様、根元付近で『分げつ』という株分かれ現象を起こします。この若い芽が「大麦若葉」です。

大麦若葉には、各種のビタミン、ミネラル、食物繊維がバランスよく含まれており、さらにSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)という抗酸化作用のある酵素が含まれています。さらに、青汁の飲みにくさの原因になっている苦みが少なく、抹茶のような香ばしさで飲みやすい青汁ができるのも人気の秘密です。

いいことづくめの大麦若葉ですが、繊維が固いため、そのまま食べるには全く向きません。大麦若葉の栄養は青汁だからこそ、と言えるでしょう。

 

明日葉

ビタミン、ミネラルだけでなく、タンパク質も多く含み、バランスのいい野菜が明日葉です。以前から伊豆諸島ではポピュラーな野菜でしたが、最近は都心部のスーパーで見かけることも多くなりました。

青汁にイメージされるような強烈な苦みはないですが、ぬめりがあり、味が特徴的なので、ほうれん草や小松菜などと比べると、普通に食べる、という人は少ないかもしれません。もちろん野菜として食べられることも多いですが、青汁の原料としても人気があります。明日葉にはカルコン、クマリンといったポリフェノールが含まれており、抗酸化作用も期待できます。

 

クマザサ

日本中に生息しているクマザサも青汁の原料になっています。クマザサの特徴は、豊富な食物繊維。ケールや大麦若葉などのほかの青汁原料と比較しても突出しています。食物繊維の不足を感じている人には特に人気の青汁です。

 

 

加工の過程で加熱されているかどうか

生の野菜に含まれる栄養の中には、加工によって機能が失われてしまうものもあります。特に絞った野菜汁の水分を取り除く過程での「加熱」処理の有無にも注目しましょう。

青汁にはビタミンやミネラルや食物繊維のような栄養素のほかにも、原料の野菜に特有の各種の酵素やポリフェノールも含まれています。注意が必要なのは酵素。酵素はタンパク質でできているため、加熱によって本来持っている機能が失われてしまいます。酵素の働きを期待する場合は、加熱処理されているかどうかも選ぶポイントになります。

 

 

野菜の推奨摂取量は1日350g。意外にも嵩があり、毎日達成し続けるのはなかなか大変です。「野菜の代わり」になる食品も上手に取り入れて、野菜不足にならないようにしたいですね。

 


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