梅雨の時期・・・気分が落ち込みがち、頭痛がする。それは「気象病」かも知れません。



曇や雨ばかりで空はどんより、ジメジメする梅雨の時期は、気分が落ち込みがちですね。

気分だけではなく、雨の日になると決まって古傷が痛むという方、頭痛を訴える方が多いようです。体がだるい、めまいがする・・・。

こんな風に、雨の日に気分が沈むこと、あるいは身体的な症状が出たり、悪化したりする病気は「気象病」と呼ばれています。

 

気象病の原因は?天候と自律神経の関係。

私達の体の様々な機能は「自律神経」によって制御されています。自律神経とは、循環器、消化器、呼吸器などの活動を調整するために、24時間働き続けている神経です。

また、自律神経には体を動かす際に活発になる「交感神経」と、安静時に活発になる「副交感神経」があります。交感神経は血管を収縮させ、心拍数を上げて体を興奮させる働きがあります。一方、副交感神経は血管を拡張させて、体をリラックスさせる働きがあります。

 

天候が悪い日は「低気圧」が、良い日は「高気圧」が近くにあります。気圧、つまり大気の圧力は高気圧であれば強く、低気圧であれば弱くなります。この気圧の変化が過剰に脳に情報が伝わり、交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうことが気象病の原因と考えられています。

交感神経が活発になれば痛みを感じますし、副交感神経が活発になればだるくなったり眠くなったりするのです。不調を訴えるのは気圧が低下する時が多いのですが、なかには気圧が上昇するときに不調を訴える方もいるそうですよ。

 

気象病を改善するにはどうしたらいいの?

まずは自律神経のバランスを整えるよう努力することが大切です。

できるだけ毎日同じ時刻に起床して、同じ時刻に就寝し、規則正しい生活をしましょう。朝食をきちんと摂ることや適度な運動も心掛けて下さい。

 

ギャバで活気・活力感をサポート

加えて、機能性をもつ食品の摂取もおすすめします。

例えば、リラックス成分として知られているギャバ(γ-アミノ酪酸)。

ラットにギャバを投与すると、ノルアドレナリンの放出が抑制されることにより、交感神経の活性化を抑制する作用が確認されたそうです(※1)。

 

また、GABAの摂取により「活気・活力感の低下を軽減する」という研究結果があります。(※2)。

睡眠に問題を抱えている、あるいはストレスが高いと感じている30~60歳の男女を集め、A、B、2つのグループに分けました。Aグループは体に影響がないものを摂取してもらうプラセボ群、Bグループは就寝の30~60分前にギャバを100mg摂取してもらう試験群としました。

その結果、Aグループ(プラセボ群)に比べ、Bグループ(ギャバ摂取群)には、POMS2というアンケート方式の評価方法(※3)において、「生き生きする」、「積極的な気分だ」、「活気がみなぎる」、「活気がわいてくる」、「やる気でいっぱいだ」といった気持ちの変化を感じる人が多かったのです。つまりギャバでポジティブな気持ちになる可能性が示されました。

 

※1 Kimura M., Involvement of γ-aminobutyric acid (GABA) receptors in the hypotensive effect of systemically administered GABA in spontaneously hypertensive rats., Jpn. J. Pharmacol., 2002; 89: 388-394

※2 外薗ら「薬理と治療」44,1445-1454(2016)

※3 POMS2 (Profile of Mood States:気分プロフィール検査)

気分や感情の状態を調査するために開発された方法で、世界的に広く使われています。

この方法では、下記の7つの因子についてアンケートによる主観的評価をスコア化します。

【怒り〜敵意】【混乱〜当惑】【抑うつ〜落込み】【疲労〜無気⼒】【緊張〜不安】【活気〜活⼒】【友好】

 

 


ライター紹介

上原絵理子(うえはらえりこ)

機能性評価のエキスパート。
健康に役立つ、確かなエビデンスを追究します。

 

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