ギチギチがぷるぷるに!煮込んだ牛スジ肉がやわらかくなるのはなぜ?



冬は寒さが辛い季節ですが、あたたかい料理がおいしく食べられる良い季節でもありますね。アツアツの鍋料理や、じっくり煮込んだシチュー、味の染み込んだおでんなど、他の季節に食べるよりも一段と美味しく感じます。

おでんの具はどれも美味しいですが、私が特に好きなのは牛すじです!実家の方で食べる習慣がなかったので、はじめはなんだか固そうだし、噛み切れるの?と思ったものですが、今では大好きになりました。

牛すじといえば、普通に煮たり焼いたりしても固くて食べにくいお肉です。これが、長時間煮込むことで非常にやわらかく、とろとろ、つるつるした食感に変わるのはなぜでしょうか。

 

 

「すじ」はコラーゲンでできている

「すじ」の主な成分はタンパク質ですが、タンパク質の中でも、コラーゲンを多く含んでいる点で、他の肉と固さに違いがあります。

タンパク質は様々なアミノ酸が長く繋がってできています。長い鎖のようなタンパク質は、通常は複雑に折れ曲がり、糸くずを丸めたような形で肉の中に存在しています。

ところが、コラーゲンはその他多くのタンパク質と同じボールのような形はしていません。コラーゲンは、アミノ酸の鎖3本のらせん構造を持つ繊維の形で存在しています。

この縄のような構造がのおかげで、コラーゲンはその他のタンパク質よりも切れにくいという性質を持っています。牛すじ肉が固いのは、ちぎれにくいコラーゲンを多く含んでいるから、というわけです。

 

 

コラーゲンは熱で分解する

どのような肉でも、熱を加えると生の状態よりも固くなります。

私たちが肉として食べているのは、動物の筋肉部分ですが、筋肉は熱を加えると縮んで固くなる性質を持っています。加熱によって筋肉の細胞が蓄えている水分も抜けるため、肉はより固くなります。

 

加熱すると固くなるのはコラーゲンも同じですが、加熱時間を長くすると、コラーゲンを構成している3本のアミノ酸の鎖がほどけてばらばらになります。長時間の加熱によってコラーゲンの強度を作っていた構造が壊れるので、やわらかく、ちぎれやすくなります。

牛すじのような肉が、長時間煮込むことでやわらかくなるのは、肉に含まれるコラーゲンが分解されているから、というわけです。

 

ところで、加熱によってばらばらになった、《元》コラーゲンはゼラチンと呼ばれています。ゼリーを作るときに使うあのゼラチンはコラーゲンからできているのですね。

コラーゲンは水に溶けにくい性質のため、そのまま食べても消化・吸収される量はわずかですが、ゼラチン化することで水に溶けやすく、消化・吸収されやすくなります。

コラーゲンたっぷりのお肉を食べるときは、よく加熱してゼラチン化したものを食べるようにすると、栄養をたくさん摂ることができますよ。また、コラーゲンを含む肉を煮た汁の中には、たくさんのゼラチンが溶け出していますので、煮汁の味付け注意しながら、煮汁もうまく取れると良いですね。

 

 


 

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