ホットケーキはどこからが焦げになる?メイラード反応と焦げの違い



自宅で過ごす時間が増えたことで、お子さんと一緒に料理をする方が多くなっているそうです。子供と作るおやつの定番と言えばホットケーキですね。粉と牛乳と卵を混ぜて、両面を焼けばあっという間に出来上がります。

ホットケーキといえば淡い褐色、いわゆるキツネ色が美味しそうなおやつですが、あのキツネ色は「ちょっとだけ焦げた」状態だと思っていませんか?でも、キツネ色は焦げとは全然の別の茶色なのです。

 

 

こんがり焼き色は焦げとは別物

ホットケーキに限らず、焼くことで褐色の焼き色が付く食べ物はたくさんあります。トーストもそうですし、肉や魚を焼いたときも褐色の焼き色が付きます。

それを放っておくと色が濃くなっていき、最終的には黒く焦げた状態になるので、褐色の焼き色はちょっとだけ焦げた状態のように思えますが、あれは焦げとは全く別物、「メイラード反応」という化学反応によるものです。

メイラード反応が起こるのは、その食品に糖とアミノ酸が含まれているとき。メイラード反応は、現在でも全容が明らかになっていないほど、何段階もの反応が組み合わさった複雑なものですが、簡単に言えば、糖とアミノ酸が反応して最終的にメラノイジンという褐色物質ができる、というものです。このメラノイジンが、キツネ色の焼き色になっているわけです。

 

 

焼き肉のいい匂いもメイラード反応

ところで、ホットケーキを焼いているとき、肉を焼いているとき、魚を焼いているとき、それぞれいい匂いがしますよね。こんがり焼けた色だけでなく、この香りも私たちの食欲をそそります。この香りにもメイラード反応が関係しています。

メイラード反応の途中では、様々な香り成分が発生します。食べ物が焼けたときのいい匂いは、メイラード反応によって発生した香り成分によって作られています。どのような香り成分が発生するかは、含まれるアミノ酸や糖の種類によってさまざまです。

また、加熱した温度や焼き加減によってもどの香り成分がどのくらいの量出てくるか変わりますので、同じ料理を同じ火加減で作っても微妙に香りが違ってきたりします。

ちなみに、常温でもメイラード反応は起こります。醤油や味噌は褐色をしていますが、あの褐色もメイラード反応によるものです。ただし、常温でのメイラード反応は、焼いたときに比べるととってもゆっくり進むので、味噌や醤油などの発酵食品でなければ、常温ではまず見られません。食べ物なので、褐色になる前に腐ってしまうでしょう。

 

 

焦げとは何か

キツネ色の時点で火を止めず、さらに焼き続けると、褐色が濃くなっていき、最終的には真っ黒な焦げになります。これは炭化という反応です。

炭化は、有機物から炭素以外の成分が揮発して抜けていき、最終的に揮発しにくい炭素だけが残る反応です。酸素が少ない状態で、高温で加熱したときに起こります。最終的に炭素が残る反応ですので、有機物(炭素Cを含む物質)でなければ起こりません。

 

木材の場合、炭化がもっとも活発になる温度は300℃前後とされていますが、160℃前後から炭化は始まります。一方でメイラード反応が活発になるのは150℃前後。火にかけている限り温度は上がり続けますので、ちょうどよい焼き色の時点で火から遠ざけないと、メイラード反応に続いて炭化が始まります。

 

 

新型コロナウイルス流行に伴うStay home運動のもと、最近になって料理に挑戦する人も多いのではないでしょうか。美味しい温度を超えないよう、焼け具合に気を配りながらお料理に取り組んでくださいね。

 


 

こちらの記事もおすすめ
「脂肪味」は6番目の味覚証拠となる神経を九州大学が新発見
レジスタントスターチと短鎖脂肪酸
食べ物の「コク」

 

発酵大麦エキス情報ポータルサイト事務局では、月に1回当サイトの更新情報をメールマガジン形式でお送りしています。メールマガジンのご登録は以下のバナーをクリックしてください。

メールマガジン登録


関連記事