自宅でもできる、お酒のおいしい保存の方法



たくさんの人が「新しい生活様式」を模索する中、みなさんは何か変わったことがありますか?在宅ワークが当たり前になり、家族みんなで夕食を取る機会が増えたので、私は自宅でお酒を飲む機会が増えました。

話し相手がいると楽しいもので、以前はごくたまにビールを飲むくらいだったものが、焼酎や日本酒なども飲むようになりました。

ここで困るのが、開栓後の保存方法です。缶入りのチューハイやビールなどであればその日に飲み切れますが、焼酎や日本酒などは残してしまうことがほとんど。開けてしまったお酒を美味しく保存するには、どうすればよいのでしょうか。

 

 

お酒の賞味期限

焼酎や日本酒に限らず、お酒は出荷後の数日で品質が劣化するような飲料ではないので、消費期限は設定されていません。

また、アルコールによって菌が繁殖しにくいことや、熟成によって味が変化するなどで一般的な食品・飲料に比べると美味しい時期が設定しにくいこともあり、賞味期限が設定されていない種類も多くあります。

お酒の中でもビールは9か月、チューハイなどは1年の賞味期限が設定されていますが、焼酎、日本酒、ワイン、ウイスキーなどは賞味期限の表示義務がなく、製造年月のみが記載されています。

 

 

光が当たらないようにすること

焼酎の保管で最も注意してほしいのは、光があたらないようにすることです。

焼酎に限らず、すべてのお酒は光に含まれる紫外線で品質が低下します。お酒にわずかに含まれる油分が紫外線によって酸化してしまうため、光に当たったお酒は「日光臭」という独特の嫌な臭いがしてきます。開栓前でも開栓後でも、焼酎を最後まで美味しく飲むためには光を遮断することがとても重要です。

この光を遮断するため、焼酎や日本酒の瓶は茶色や緑などの濃い色をしていることが多いです。ウイスキーなどに多いですが、色が付いていない瓶の商品であれば箱に入っていたり、光が入らないような紙パックで売られていたり、美味しく飲んでもらうため、いろいろな工夫がされています。

もちろん、家の中でも光に気を付けてください。紫外線は一定量が室内に入り込んできますし、蛍光灯の光にも紫外線は含まれます。暗い場所で保存したり、新聞紙でくるむなどして、なるべく光が当たらないようにしましょう。

ちなみに、お酒に含まれる油とは、アルコール(エタノール)よりも炭素数が多い様々なアルコール類のことで、私たちが普段の食事で口にする油とは少し違うものです。

 

 

開栓後は低温保存

焼酎やウイスキーなどの蒸留酒は、開栓前であれば常温で保存するようにしましょう。もちろん極端に温度が高い場所に置くのは良くないですが、冷蔵庫などの低温の場所もあまり適した保管場所ではありません。

光のところでも出てきた、お酒の脂肪成分は、お酒の良い香りの元になっているものでもあります。冷蔵庫のような冷たい場所に置いてしまうと、この脂肪成分が結晶化し、お酒の香りが弱くなってしまいます。劣化するのとはまた違いますが、美味しく飲むためには、開栓前は冷蔵庫に入れないようにしましょう。

とはいえ、開栓後は冷蔵保存がお勧めです。やはり低温になりすぎると飲んだ時に味が良くないので、野菜室に保存するなど、冷えすぎないようにしましょう。

 

日本酒の中でも、本醸造や純米酒などの種類、ワインなどは低めの常温で保存します。特にワインは、低温で保存するとウイスキーや焼酎などと同じく、香り成分が揮発せずに単調な味わいになります。

15度前後で温度変化がすくない場所が理想ですが、室内で暗い場所であればあまり温度は上がりませんので、床下収納や押し入れなどでも大丈夫です。ただし、真夏は暑くなってしまうので、素直に冷蔵庫に入れて飲むときに常温に戻すのが無難です。

日本酒の中でも、吟醸酒については冷蔵保存が向いています。また、生酒も冷蔵保存が原則です。

 

常温保存がOKなお酒でも、開栓後は空気中の雑菌が入り込む可能性がありますので、冷蔵庫で保存してくださいね。日本酒やワインなどは特に、冷蔵庫で保存して数日で飲み切るようにしましょう。

 

 

空気に触れさせない

お酒の品質には、光・温度のほかに、酸素のあるなしも大きく関係します。酸素に触れるとお酒は劣化していくため、特に開栓後のお酒を冷蔵庫で保存するときは空気に触れる面積が小さくなるよう、瓶を立てて保存するようにしましょう。

そこで気になるのが、大きい瓶に入ったお酒です。

ワインボトル程度の大きさくらいまでであれば、冷蔵庫に立てて保存することも難しくないですが、一升瓶サイズを立てて保存できる冷蔵庫はなかなかありません。また、大きい瓶であれば直径が大きいので、その分空気に触れる面積も増えます。

飲み残しをできるだけ美味しく保存するには、開栓後のワインボトルを真空にするキャップを利用したり、小瓶に移し替えると味が変化しにくくなります。

 

 

以前のように外出できなないのはもどかしいものですが、自宅には自宅なりの楽しみ方もあるはず。美味しい保存方法をマスターして、自宅でも美味しいお酒を楽しみましょう。


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